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 日立製作所は3月16日、同社の開発した暗号技術がISO(国際標準化機構)の標準規格に採用されたと発表した。名称は「HIME(R)(ハイムアール)」で、データを暗号化する鍵と復号化する鍵が異なる公開鍵暗号方式に適用される。

 HIME(R)の特徴は、データを暗号化/復号化する際の処理が高速なこと。日立によれば、「従来普及しているRSAの暗号技術に比べて、暗号化で約10倍、複号化で2~3倍の速度で処理できる」(システム開発研究所)。アルゴリズムを工夫して処理性能を向上させたことでチップでの計算量を削減し、「暗号技術の機器への実装時に省電力化が図れる。例えば、暗号化する際は、消費電力が従来技術を使う場合の10分の1で済むと見込んでいる」(同)としている。

 日立は、HIME(R)をバッテリ容量に制限があるモバイル機器に搭載することを想定している。極めて少ない電力で駆動するICカードやICタグへの搭載も視野に入れていく。

 HIME(R)の採用する公開鍵暗号は、暗号化と復号化を同じ鍵で実行する共通鍵暗号方式に比べ、より多くの電力を消費する。公開鍵方式は通常、共通鍵方式の約1000倍の電力を消費するという。このため、同社は省電力化に向けた研究を続けていた。

 HIME(R)は、High Performance Modular-squaring-based public-key Encryption(Revised Version)。ISOでの標準化は、今年2月のISO/IEC18033「暗号アルゴリズム」標準化プロジェクトで投票した結果、決定した。規格書は2006年中に発行される。日立は、「現状では多くの暗号化方式が存在する。今回、標準化されたことで、当社の技術がしっかりとしたものと認識されるはず」(システム開発研究所)と期待を寄せる。