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写真1 テレビ埼玉の朝倉宣年取締役技術局長兼ICT推進室長
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写真2 テレビ埼玉の新しいキャッチフレーズとキャラクター
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 民放キー局の系列に属さない独立系地方局であるテレビ埼玉は,移動体向けの地上デジタル放送「ワンセグ」に積極的なテレビ局だ。4月1日からワンセグを始める独立UHF放送局は4局しかなく,テレビ埼玉はその中の一社である。3月からはデータ放送を含む形で,地上波と同じ番組をワンセグ向けに流し始めた。テレビ埼玉の朝倉宣年取締役技術局長兼ICT推進室長(写真上)に,ワンセグにかける意気込みを聞いた。(聞き手は堀越 功=日経コミュニケーション)

——「ワンセグ」のどんな点に期待しているのか。

 商売のツールになりうる点に期待している。ワンセグでは通信と一体化したサービスが可能になり,ビジネスの機会を広げられると考えている。
 ご存じの通り独立系放送局は経営が厳しい。地上デジタル放送への移行に伴って,30億円以上の投資をした。その回収のためにも,ワンセグをすぐにビジネスに結び付けたい。テレビ埼玉は2005年12月から地上波のデジタル放送を開始したが,この時期にデジタル化したのはワンセグを念頭に置いてのことだ。
 ワンセグ開始の4月1日を重要な日として位置付けている。この日を境にテレビ埼玉の愛称を「テレ玉」(写真下)とする。ワンセグ開始と共に,テレビ埼玉が生まれ変わるイメージだ。

——具体的にワンセグを使って,どんなビジネスを展開しようと考えているのか。

 ワンセグのデータ放送から通販サービスや,番組の公式サイトに誘導することを考えている。埼玉県には浦和レッズと大宮アルディージャという二つのプロ・サッカー・チームがあり,テレビ埼玉ではこれらのチームの試合を数多く中継している。これらの番組でワンセグのデータ放送から情報提供したり,通販サービスと連携を進めていきたい。
 3月24日には大宮アルディージャの応援番組で,ワンセグを使った番組連動トライアルを実施した。具体的にはワンセグのデータ放送からアルディージャのグッズを販売するローソンの携帯サイトへリンクを張り,視聴者が実際に商品を買えるようにした。
 トライアルを実施してみて,データ放送からサイトへの遷移画面の作りなどに,もっと工夫が必要ということが分かった。なお長期的には,商社と共同で別会社を作り,そこが主体となってワンセグの連動コンテンツを運営することも検討している。

——ワンセグによって番組の視聴機会が増えると考えているか。

 テレビ埼玉のデジタル放送のチャンネルは「3」。ワンセグも同じチャンネルだ。これによって,利用者に番組を視聴してもらえる機会が飛躍的に増えると考えている。アナログ放送ではUHF帯での放送だったため,視聴者が番組を触れるまでにハンディがあった。しかしデジタル放送では,NHKや民放キー局と同じ並びの中で若い番号をもらえた。非常にありがたく思っている。独立系地方局にとってワンセグは大きなビジネスチャンスだ。
 ワンセグは移動しながら見ることが多い。テレビ埼玉は埼玉県域の放送局だが,電車に乗るなどして,埼玉から東京,千葉,神奈川などへ移動する人もいるだろう。これらの地域の独立系放送局である,東京メトロポリタンテレビジョン(東京MXテレビ),千葉テレビ放送,テレビ神奈川とは,共通の番組を放映することも多いので,ワンセグを通してできるだけ連携を図っていきたい。テレビ埼玉は,全国の独立系UHF局13社が加盟する全国独立UHF放送協議会の幹事会社でもある。先行局として,率先してワンセグの可能性を広げていくつもりだ。