メール配信事業者のトライコーンは,ASP型の企業向けメール配信サービス「アウトバーン」に対して,SLA(サービス・レベル・アグリーメント)契約を2006年4月1日に導入する。サービス品質がSLAで定めたしきい値を下回った場合は,独自のレートで料金を払い戻す。SLA契約のための追加料金は発生しない。
アウトバーンは,ASP型のメール配信サービスである。あて先アドレスのリストやメール本文,メール配信スケジュールなどをWebブラウザのインタフェースから指定してメール配送を委託する仕組み。料金は以下の通り。初期費用は一律10万円。メール・アドレス数が1万件以下の場合は月額5万円,10万1件以上20万件以下の場合は35万円など。
SLAの項目は,以下に示す4カテゴリ8項目である。具体的には,例えば1カ月のシステム稼働率のSLAではシステムが停止しないことを前提としており,全体から見たシステム停止時間の割合だけ月額料金を払い戻す。月額35万円の契約で1カ月(4万3200分)のうち120分の間システムが停止した場合,払い戻し金額は約972円になる。また,バージョンアップの事前告知を怠ったなどの人的な契約違反は,一つの違反ごとに一律500円を支払う。
アウトバーンのSLA項目
- 1.セキュリティ
- 1-1. 監視体制(システムの運用における障害検知の監視体制)
- 1-2. 脆弱性調査(アプリケーションに対する脆弱性調査の実施)
- 2.サポートデスク
- 2-1. 対応体制(窓口への問い合わせに対する対応手順)
- 3.システムの保守・運用
- 3-1. 月間稼働率(当月内におけるシステムの可用性)
- 3-2. バックアップ(システム障害に備えた登録データのバックアップ)
- 3-3. 告知体制(バージョンアップ及びメンテナンス時の事前告知)
- 4.導入・教育支援
- 4-1. 初期導入支援(導入段階における操作設定方法の説明及び支援)
- 4-2. 教育支援(定期的な講習会の開催)