4月6日~7日に開催された「Intel Developer Forum(IDF) Japan」では,ベンダー各社によるサーバー関連の新たな取り組みが注目された。サーバー向けプロセサ「Itanium2」の新版「Montecito(開発コード名)」を搭載した製品をいち早く展示する大手ベンダーや,既存サーバーの改良版を展示するベンダーもあった。
日本HPはMontecito/PA-8900共用のSuperdomeを提供
Montecitoは,Itanium2の系列として初めてデュアルコアを採用するプロセサ。米インテルはMontecitoを今年半ばにも出荷する予定だ。日立製作所は,Montecitoを搭載したブレード・サーバー,「BladeSymphony」の実機とデモを展示した。Montecitoが備える仮想化技術「VT」を使いながら,2機のブレード・サーバー上に5つの論理区画を作成。それぞれの論理区画にプロセサのコアを割り当て,WindowsやLinuxなどのOSを稼働させた(写真)。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は,サーバー機「Integrity Superdome(hp 9000 Superdome)」の新機種として,Montecito搭載のサーバー機 を4月18日に発表する予定だ。出荷は今年半ばの見込み。同社が開発したチップセット「sx2000」はMontecitoだけでなく,PA-RISCの最終版である「PA-8900」を搭載できる。Itanium2は米インテルと米HPが共同開発したプロセサで,PA-RISCの後継にあたる。
Itanium2を搭載したIntegrity Superdomeと,PA-RISCを搭載したhp 9000 Superdomeは,同じハードウエアである。現Itanium2またはPA-8800(チップセットはsx1000)の組み合わせから,MontecitoまたはPA-8900(チップセットはsx2000)の組み合わせに移行するには,きょう体内のモジュールを差し替えるだけで済む。「PA-RISCの顧客の間では,この手軽さが好評だ」(日本HP)。
部品の共通化でコスト削減を狙う日本ユニシス
一方,日本ユニシスはMontecito搭載機はしばらく発表しない。Montecito搭載機の提供よりも先に,提供価格の低減を狙う。同社のサーバー「ES7000」シリーズについて,Itanium2搭載機とXeon搭載機とで部品の大部分を共通化し,製造コストを削減する。
部品を共通化したのが,近日中に発表する予定の新機種「ES7000/One」だ。Itanium2搭載機は「700シリーズ」として提供し,Xeon搭載機は「600シリーズ」として提供する。
部品の共通化に貢献したのが,ES7000/Oneに採用した自社開発のチップセットである。これまで日本ユニシスはItanium2搭載機「ES7000 400シリーズ」に,インテルが開発したチップセットを採用していた。