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東武ストアの玉置富貴雄社長
東武ストアの玉置富貴雄社長
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 中堅スーパーの東武ストアは、2006年6月にも、ポイントカードを発行して固定客の維持・拡大を図る、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)を導入する計画だ。

 同社は、2001年2月期~2003年2月期に3期連続で最終赤字を出すなど経営不振に陥っていたが、丸紅やマルエツの支援を受けて業績を回復させた。コスト低減による体質改善は2006年2月期までに一段落したと判断。2006年度からは売り上げ拡大に軸足を移す。FSP導入はその大きな手段となる。

 FSPとは、購入金額などに基づいて顧客を階層化し、利益貢献度に応じて提供する特典を変える販促手法。顧客を識別する手段として、ポイントカード・システムなどが必要になる。東武ストアは現在、具体的にどのような仕組みにするかを検討中。顧客動向の分析を担当する専任スタッフを配置・育成する予定だ。

 こうした「攻めの戦略」を進めるのが、2005年5月に社長に就任した玉置富貴雄氏。ダイエーや丸紅を経て、東武ストアで営業統括担当としてらつ腕を振るってきた玉置社長に、同社の現状と今後の方針を聞いた。

--- 2006年度は売り上げ拡大に力を入れるようですが。

 これまではコスト削減を通じて粗利率を改善させてきたが、そろそろやり尽くし感もある。そこで今年は売り上げ拡大の施策にも目を向ける。早ければ6月にもFSPを導入しようと思っている。上位顧客を囲い込んで優良固定客を増やしたい。
 店舗によっては、価格競争が非常にシビアになってきたことも影響している。単なる値引き以外で、顧客を引き付けることができる仕掛けを作っていきたい。

--- 利益を出せる体質になったのはどのような施策の成果でしょうか。

 業績回復に最も寄与しているのは、売れ残り品の削減による廃棄コスト抑制だ。赤字に陥っていた当時の当社は、売り上げ確保ばかりが優先されて、利益確保がないがしろにされていた。だから仕入れの入出残管理の重要性を浸透させることに努めてきた。もちろん機会損失を防ぐのも大事だが、まずは廃棄損を出さないことが大事だと意識改革を図った結果、粗利率は2002年の24.0%から、2005年には26.1%まで向上した。不動産の賃料や什器のリース料など経費節減も行ったが、粗利率の向上が最も大きい。

--- 深夜営業にも力を入れています。

 24時間営業と午前0時前後の深夜営業を47店舗中40店舗で実施している。当社子会社の人材派遣会社、東武警備サポートと協力して、夜間のオペレーションを確立した。午前2時から午前7時まではそれほど客は入らないので、その時間帯を、従来は朝に行っていた商品の補充に充てる。東武警備の人だけでピッキングなどをやってくれているから、店長の勤務時間はむしろ深夜営業の実施前より減った。

--- ところで、ライバルとして意識しているところは?

 大手スーパーよりも、むしろオリジン東秀のような企業を意識している。当社は特に惣菜の販売に力を入れているからだ。この3年間、既存店舗全体の売り上げはそれほど伸びていないが、惣菜は伸びた。東武線沿線の駅前の立地店が多いから、帰宅の遅い会社員が夜食を買う需要を当て込んだことが奏功した。若い家族世帯も買ってくれる。朝・昼・夜の時間帯別の惣菜の陳列のノウハウも蓄積してきている。

■変更履歴
 本文の末尾から12行目「東武鉄道グループの人材派遣会社、東武警備サポートと協力して」を「当社子会社の人材派遣会社、東武警備サポートと協力して」に訂正しました。[2006/04/14 12:22]