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 日本科学技術連盟(以下日科技連)と日本品質管理学会は,共同で策定を進めてきたソフトウエア品質体系「SQuBOK(Software Quality Body Of Knowledge)」第1版α版を4月28日に公開する。

 SQuBOKは,ソフトウエア品質に関する様々な知識領域を再整理し体系化したもの。システム開発・運用に携わるITエンジニアを対象に,ソフトウエア品質に関する基本概念やマネジメント手法,技術などを定義した。

 具体的には,ソフトウエア品質に関する知識領域を「ソフトウエア品質エンジニアリングの基本概念」「ソフトウエア品質マネジメント」「ソフトウエア品質技術」——の3つのカテゴリに分類。その上で,22の知識領域,60の副知識領域を定義している。

 各カテゴリの概要は次の通り。まずソフトウエア品質エンジニアリングの基本概念では,ソフトウエア品質に関する基本的な概念や考え方を整理し,「品質の概念」や「ソフトウエア品質モデル」「プロセスと品質」など5つの知識領域,2つの副知識領域を定義。2つ目のソフトウエア品質マネジメントでは,品質を管理するためのアクティビティ(作業項目)を整理し,「品質マネジメントシステム(QMS)」や「ソフトウエアプロセス評価・改善」「プロジェクトマネジメント」「ソフトウエア構成管理」「レビューマネジメント」「テストマネジメント」など12の知識領域,40の副知識領域がある。3つ目のソフトウエア品質技術は,ソフトウエア品質要求把握から品質評価に至るまでの手法や技法,メトリクスを整理し,「品質要求獲得技法」や「レビュー技法」「テスト技法」など5つの知識領域,18の副知識領域から成る。

散在する知識領域を再整理

 こうした知識領域には,PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)やSWEBOK(SoftWare Engineering Body Of Knowledge),ISOやJISなどに含まれる,品質に関する知識領域を抽出して再整理したほか,企業や組織固有のノウハウなども盛り込んだ。各知識領域や副知識領域には,関連するキーワードを「トピックス」として定義しており,これを見れば実際に取り組むべき作業内容を把握できる。また,各知識領域に関連した書籍・論文などを「参考文献候補リスト」として紹介している。これをたどれば,知識領域への理解をより深められる。

 策定には,日科技連・SPC委員会内に設置された「SQuBOK策定委員会」と,日本品質管理学会・ソフトウエア部会内に設置された「SQuBOK研究会」が2005年9月に共同で設置した「SQuBOK策定部会」が当たった。同部会リーダーである日本IBMの岡崎靖子氏は「PMBOKやSWEBOKなどの従来の知識体系は,品質に特化したものではなく,学者や研究者が中心となって策定したこともあり実務的ではない」と指摘する。その上で,策定に当たった中心メンバーが実務担当者であるSQuBOKは,「国内の開発・運用現場で活用できることを第一の目的としており,日本発,国内初のソフトウエア品質体系として利用価値は高いだろう」(岡崎氏)と自信を見せる。

 SQuBOK策定部会は4月28日にSQuBOK第1版α版を公開した後,有識者から集めたコメントを反映したβ版を一般公開する。その後,β版へのコメントを反映したSQuBOK第1版の正式版を一般公開する予定だ(公開時期は未定)。

 なお,SQuBOK第1版では,公開までの期間を短縮するために「品質保証活動」に関する知識体系を中心としている。第2版以降では,これに加えて「品質を高めるためのソフトウエア作り」に関する知識領域も網羅する計画である。