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 元ロータス日本法人社長の菊池三郎氏が設立したアートソフトは4月17日、コンタクトセンター向けソフト「ArtFront」を出荷した。2005年7月に設立された同社にとって初製品となる。菊池社長は、「当社の製品は、海外製のCRM(顧客関係管理)ソフトなどがカバーしていないきめ細かな機能を備える。オペレータや教育担当者(スーパーバイザ)など、コンタクトセンターで働く人たちの生産性向上に焦点を当てた」と説明する。

 ArtFrontでは、コンタクトセンターの業務を(1)計画、(2)実行、(3)分析の3領域に分け、それぞれの領域の業務を支援する12のモジュールで構成する。(1)は、オペレータの採用計画を作成する「Planning」と、オペレータのトレーニング計画を立案する「Trainer」の2モジュールで構成する。

 (2)は、オペレータの配置計画を立案する「Scheduler」やオペレータの座席表を管理する「SeatManager」など6モジュールから成る。Schedulerは、オペレータのスキルなどを考慮しながら、インバウンド(顧客からの問い合わせや苦情など電話を受ける業務)とアウトバウンド(セールスなどオペレータが電話をかける業務)のコール数を予測し、最適な人員配置を支援する。「インバウンドとアウトバウンドを組み合わせてスケジュールを立てられるソフトは珍しい」(西野壽開発部長)。

 SeatManagerは、どのオペレータがどの座席に座っているかをリアルタイムに監視するソフト。例えばあるオペレータの通話時間が長い場合、管理者が即座に対応できるようにする。「コンタクトセンターではフリーアドレス制を採ることが多く、しかも交代制勤務なのでリアルタイムでオペレータの座席が管理できていないケースが多い。SeatManagerを使えば、オペレータの居場所を正確に把握できる」(西野部長)。

 (3)は、オペレータごとの業績評価を実施する「EmployeeRecorder」や、グループウエアのLotus Notesや表計算ソフトのExcelなどでレポートを配布できる「Reporter」など4モジュールが含まれる。

 ArtFrontを使えば、「業務をよく知らない管理者でも『コール数が多い時間帯にオペレータを集中的に配置する』、『新人のオペレータとスーパーバイザが同じチームになるようシフトを組む』といった条件を指定すれば、条件を満たすシフトを組むことができる」(菊池社長)。日本企業では、人事異動によってコンタクトセンター業務に精通しない担当者が管理者になることが多いという事情に配慮した。

 また、インスタント・メッセージングを活用し、通話中にトラブルが発生した際に、通話しながらスーパーバイザに相談できる機能も備える。通常は通話を中断しない限り、オペレータはスーパーバイザに助けを求めることができない。「ArtFrontの機能は、実際のコンタクトセンターと話し合いながら開発した。ArtFrontが提供するモジュールの一部を『コンタクトセンター管理ソフト』として提供しているベンダーはあるが、ここまで網羅しているのは当社製品だけ」と菊池社長は話す。

 4月17日に出荷するのは、SchedulerとSeatManagerの2モジュール。続いて、7月にEmployeeRecorderやReporterなど5モジュールを出荷する。残りの6モジュールは11月の出荷を予定している。価格はオープンで、「1モジュールあたり、利用者のライセンスは1万から数万円程度、サーバー・ライセンスは数百万円から」(菊池社長)。伊藤忠テクノサイエンスなどパートナ5社を通じて販売する。来年3月までに25社への販売を見込んでいる。

 菊池社長はコンタクトセンター向けソフト会社を設立した理由を、「この市場に将来性があると判断したから」と説明する。「インターネットが普及しても、電話での問い合わせは減らない。例えば『インターネットが接続できない』という問い合わせは電話でするものだ。この市場を調査して、7000億円程度の規模があると判断した」(同)。

 「将来的には欧米への進出も目指したい」と、菊池社長は意欲を見せる。「欧米製のソフトは、日本企業にとって機能が粗く映る。ロータスのソフトも日本市場で鍛えられて、よい製品になった。日本企業向けに開発したソフトは、欧米企業にもきっと受け入れてもらえるはずだ」(同)。