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写真 懇談会終了後の会見で報告する座長の松原聡東洋大学教授
写真 懇談会終了後の会見で報告する座長の松原聡東洋大学教授
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 竹中平蔵総務大臣直轄の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」が4月20日,第10回会合を開催した。今回の会合で特に大きく進展したのは,NTTの在り方についての議論。懇談会の松原聡座長(写真)は「通信分野でIP化やFMC(fixed-mobile convergence)が進む中で,NTTのアクセス部門におけるボトルネック性,ドミナント性は変わっていない」と語り,これからのNTTの在り方として以下の4パターンの可能性があるとした。

 具体的には,(1)現状のまま,持ち株会社の傘下に事業会社を置く形,(2)NTTの中でも特に独占性の強いアクセス部門を,英BTのように機能分離する形。この場合,会計分離だけではなく,人事交流や統一ブランドの使用も禁止する,(3)公開ヒアリングなどでソフトバンクが主張した,NTTのアクセス部門を組織分離する形,(4)NTTの持ち株会社を廃止し,NTTの事業部門ごとに完全に資本分離する形,の4パターン。松原座長は「NTTが現状のままではいけないという意見が,構成員の間で大勢を占めた」と会合の様子を説明し,今後の議論次第では(2)から(4)のパターンも十分ありえることを示唆した。

 今回の議論では,4パターンのどれが最適かという最終的な意見集約はせず,それぞれのパターンについてメリット,デメリットを話し合ったという。例えば(4)の形を考えた場合,NTT法の廃止を意味する。その場合,NTTに課せられているユニバーサル・サービスの提供や研究開発の規定はなくなる。またNTTの株主から見れば,資産を損なうことにもつながりかねない。松原座長は「さまざまな影響も把握しながら,時間軸の中でどの形が最適なのか,今後の会合で落としどころを探る」とした。

 今回の会合では,融合時代の法体系についても議論が進展した。特にIPマルチキャストの著作権法上の取り扱いについては,「地上デジタル放送のIP再送信に加えて,有線役務放送においても,放送として位置付けるべきという意見が大勢を占めた」(松原座長)。この点については,法改正ではなく政府解釈の変更で対応できるとし,「どんな形でも早急に対応するべき」(松原座長)と語った。

 一方で,通信と放送の抜本的な法改正については,中期的な課題となるとの見方を示した。「差し迫った矛盾も起きていない。2011年当たりをメドとするのが,構成員の暗黙の了解」(松原座長)という。

 次回会合は5月9日の予定。5月中に2回程度議論し,懇談会としての方向性をまとめる。