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写真1 Cisco Unified Personal Communicator
写真1 Cisco Unified Personal Communicator
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写真2 Office CommunicatorのWindows Mobile版。写真は英語ベータ版
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 企業ネットワークを取り巻く大きなうねりは,企業のコミュニケーション基盤でも起こりつつある。プレゼンス(社員の在席情報)を中核に,IP電話やメール,インスタント・メッセージ(IM),ビデオ会議といったコミュニケーション手段を統合する動きが急速に進んでいるのだ。

 ユーザーは相手の在席状況を把握した上で,最適な手段で迅速かつ確実に連絡を取る。さらに,個々のコミュニケーション手段を適材適所に使い分けることで,社員同士の情報共有の質を高め,意思決定の迅速化や生産性の向上を図る。しかもプレゼンス・システムやIP-PBXなどがバックエンドで連動し,相手の電話番号やメール・アドレス,IDを一括管理する。ユーザーは個々の通信手段にひも付けられた番号やIDを意識せずに相手と連絡を取れるようになる。

シスコやマイクロソフトが本腰

 こうした最先端の動きを大手ベンダーが咀嚼(そしゃく)し,コンセプトとしてぶち上げ始めている。米シスコシステムズは3月,呼制御サーバーやプレゼンス・サーバー,専用クライアント「Cisco Unified Personal Communicator」(写真1)で構成するシステム「ユニファイド・コミュニケーション・システム」を発表。米アバイアも同月,プレゼンスやIMの機能を融合したソフトフォン「Avaya one-X Desktop Edition」を投入している。

 電話を中心とした従来のシステムであれば,ネットワーク機器ベンダーが主役となる。しかし,IP化によって内線電話との統合が可能になったことで,メールやIM,ビデオ会議などを扱うベンダーまでがこぞってこの領域に参入してきた。米マイクロソフトや米IBM,米オラクル,米AOL,Web会議サービス大手の米ウェブエックス・コミュニケーションズなど,名立たるプレーヤが同様の戦略を打ち出している。

 中でも力を入れているのが,マイクロソフト。プレゼンス機能などを備えたコミュニケーション・サーバー「Office Live Communication Server」を2005年1月から投入。この3月には世界各国の通信事業者や大手PBX(構内交換機)メーカーと次々に提携を結んだ。国内ではSkype対抗でソフトバンク・グループとも提携し,専用クライアント「Office Communicator」から外線の発着信を実現できるようにする予定だ。

情報伝達手段がシームレスに連携

 こうした基盤が企業に浸透していくと,社内のコミュニケーションは一段上のレベルに進化する。具体的には,相手がいつどこにいても「その瞬間に,相手と確実につながる連絡手段」を一目で選び,素早く情報を伝えられる。「電話をかけたら相手が不在だった」といった無駄は,もうなくなる。

 最近はプレゼンス・システムが高機能化し,パソコンやスクリーン・セーバーのオン/オフ,キーボードやマウスの操作状況と連動してプレゼンスを自動で更新する。グループウエアのスケジュールや入退出管理システムの履歴,無線LANのアクセス・ポイントなどと連携し,相手の行動予定や位置までもプレゼンス・システムから把握できるようになった。相手の状態を静止画で確認できるプレゼンス・システムもある。

 連絡したい相手の状態が詳細に分かると,ユーザーは連絡手段を臨機応変に選択するようになる。「会議中のようだが,急用なのでIMでメッセージを送信してみよう」,「離席になっているが,社内にいるようなので携帯電話で連絡してみよう」といった具合だ。画像で相手を確認できるシステムであれば,「上司の機嫌が悪そうなので,電話ではなく,メールで報告しておこう」といった使い分けも可能になる。

 また用途に応じて複数のコミュニケーション手段を併用することで,社員同士で共有する情報量が加速度的に増える。例えば競合製品について電話で会話している最中に,その製品を紹介しているWebサイトのURLをIMで即座に送信すれば,話がスムーズに進む。資料による説明が必要なら,Web会議の機能で資料を共有すれば良い。

 さらに今後は,こうした機能を携帯電話やPDA(携帯情報端末)などでも利用できるようになる。マイクロソフトはOffice CommunicatorのWindows Mobile日本語版を2006年6月以降に公開する予定だ(写真2)。シスコシステムズもCisco Unified Personal Communicatorを,フィンランドのノキアのデュアル携帯電話に対応させるとしている。

 無線ブロードバンドのインフラも急速に整いつつある。活用シーンは空港や駅,ホテル,喫茶店まで一気に広がり,移動中でも利用できる。いつでもどこでも仕事でき,今いる場所がオフィスに変わる−−このような時代が来る日もそう遠くない。

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