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左はEdyカードのリーダー/ライター。右はセットトップボックス。幅100×奥行100×高さ50mm、重さ約300グラムと小型軽量だ
左はEdyカードのリーダー/ライター。右はセットトップボックス。幅100×奥行100×高さ50mm、重さ約300グラムと小型軽量だ
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Edyを利用した決済画面。これで「OK」ボタンを押せば、コンテンツを購入できる
Edyを利用した決済画面。これで「OK」ボタンを押せば、コンテンツを購入できる
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クロスメディアバーと同じデザインを採用したユーザーインタフェース
クロスメディアバーと同じデザインを採用したユーザーインタフェース
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 ソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)は2006年4月25日、電子マネー「Edy」で決済可能なVOD(ビデオ・オン・デマンド)システムのデモを披露した。このシステムはSentivision(センティビジョン)と共同開発し、2006年4月24日に発表したもの(発表資料)。複雑な会員登録が不要で、Edyカードやおサイフケータイをかざすだけでハイビジョン(HD)映像を受信できるのが特徴。「自動販売機やジュークボックスのような手軽さだ」(テレビポータル事業部門の久松龍一郎部門長)。現在は試作段階にあり、2006年6月末までの実証実験を通じて商用化を検討する。

 このシステムは、小型のセットトップボックス(STB)とFeliCa対応のリーダー/ライターからなる。ブロードバンド回線とSTBを接続し、さらにSTBとテレビを接続することで、インターネット経由で受信した映像をテレビで見ることができる。「VODシステムには特定の通信事業者に依存するものが多いが、このシステムなら通信事業者を問わない」(久松氏)。コーデックは、家電向けで主流になりつつあるH.264など、複数の方式に対応する。

 同社がこだわったのは、機器操作が得意でないユーザーでも簡単に利用できること。STBを起動し、Edyカードなどをかざすと「カードを登録しますか」という質問が表示される。ここで「OK」を選択するだけで利用可能になるので、面倒な登録作業が必要ない。多くのサービスで登録時に必要になる、住所や氏名、メールアドレスなどの個人情報も開示せずに済む。カード登録が終了したあとは、購入したいコンテンツを選択すれば、Edyセンターと通信して決済処理が実行される。一連の操作は、リモコンを使って実行できる。ユーザーインタフェースには、「PSP」や「PSX」が搭載する「クロスメディアバー」と同じデザインを採用した。

 商用化の時期やサービス内容は、現段階では未定。コンテンツ保持者や家電メーカーなどと検討を進めていくという。将来的には、「STBの機能をテレビなどの家電に内蔵したり、パソコンで利用するという方法も想定している」(テレビポータル事業部門 ポータルサービスディビジョンの土屋博一氏)。SCNにとっては決済の代行などによる手数料が主な収入源となるが、「ポータル全体としての価値向上につながり、広告面などでの効果も期待できる」(久松氏)としている。

 また同日、同社は2006年10月1日付けで社名を変更する予定であることを明らかにした。新社名は「ソネットエンタテインメント株式会社」。サービスブランドとの統一を図るため「ソネット」の名を冠し、さらに「ネットワークで楽しみを届けたい、という思いを込めて“エンタテインメント”と付けた」(吉田憲一郎社長)という。