富士通は4月27日,2005年度(2005年4月~2006年3月)の連結決算を発表した。売上高は対前年度比0.6%増の4兆7914億円と横ばいながら,営業利益は同3.8%増の1814億円と212億円の増益だった。経常利益は同41.6%増の1260億円,当期純利益は同114.7%増の685億円と,年初の予想をすべて達成した。
三つある事業部門はすべて増益だったが,突出して好調だったのは,SI関連のプロダクト販売/サービス事業の「テクノロジーソリューション」。同部門の売上高は対前年度比1.7%増の2兆9839億円とほぼ前年並みだが,営業利益が前年度から221億円増えて1642億円だった。
小倉正道取締役専務CFOは,テクノロジーソリューションの大幅増益につながった要因として「UNIXサーバーや光伝送システムといった海外におけるプロダクト販売が好調だった。英国でのアウトソーシング・サービスのビジネス拡大や,前年度の減益につながった不採算プロジェクトにかかる損失を抑制できたことも大きい」と説明する(写真1)。
一方,通信関係者が注目を集めている次世代ネットワーク「NGN」については,2006年から徐々にビジネスとして立ち上がると予測。「英BTの21世紀ネットワーク計画(21CN)に基づき,2006年3月に機器のサプライヤとしての契約を締結した。国内向けも取り組みは強化しているが,売り上げに寄与してくるのは2006年後半~2007年になるだろう」(小倉CFO)と話す。