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 日立製作所は4月27日、2006年3月期の決算を発表した。連結の売上高は前年同期比5%増の9兆4648億円、営業利益は同8%減の2560億円、当期純利益は同28%減の373億円となった。増収には、主に情報通信システム部門や電力・産業システム部門の好調が寄与した。営業減益になったのは、ディスプレイなどの電子デバイス部門と、薄型テレビや白物家電などを扱うデジタルメディア・民生機器部門が足を引っ張ったからだ。

 情報通信システム部門全体の売上高は前年同期比増4%増の2兆3609億円。営業利益も同25%増の846億円に達した。ソフト/サービス分野はアウトソーシング事業が好調に推移し、売上高は4%増の1兆557億円となった。アウトソーシング事業の売上高は前年比9%増の1380億円だった。ソフト/サービス分野の営業利益は前年比72%増の836億円で、情報通信システム部門のほとんどの利益を叩き出した。

 システム開発案件におけるプロジェクト・マネジメントの強化が奏功した。「まず顧客との契約条件の条件を明確にすることを徹底した。さらにプロジェクトの可視化を進めた。2004年度は関連会社でプロジェクト・マネジメントが徹底できないケースがあり損失を出したが、その後グループ全体で開発管理体制の強化を進めた。着実によくなってきたと感じている」(三好崇司執行役副社長)という。

 一方、ハード部門の売上高は4%増の1兆3051億円。プリンタ事業を展開していた日立プリンティングソリューションズをリコーに売却したことと、サーバーやパソコンの価格下落の影響を受けたが、ディスクアレイやハードディスクドライブの売り上げが伸びたため、全体では増収だった。営業利益は前年比95%減の10億円。ディスクアレイが好調だったものの、ハードディスクドライブ事業の営業損失が270億円だったことが響いた。ハードディスクドライブ事業は2007年3月期も80億円の赤字になる見通しだが、同社は「2006年度下期には黒字にしたい」(三好副社長)としている。

 メインフレーム、UNIXサーバー、高性能IAサーバーのBladeSymphonyを含むサーバー事業の売上高は前年同期比7%減の876億円だった。同社はBladeSymphonyを戦略商品と位置付けており、2006年度は積極的に開発投資を行う予定。BladeSymphonyの出荷台数は、2004年度の150台(出荷開始は下期)から、600台(2005年度)と大幅に伸びている。2006年度は3250台と、さらに昨年度の5倍以上の出荷を見込んでいる。IAサーバーやパソコンの売上高は前年同期比9%減の1058億円。IAサーバー、パソコンともに台数では前年から微増だったが、価格下落分を吸収しきれなかった。

 同社の業績に悪影響を与えてきた、電子デバイス分野は営業利益が55%減の204億円、デジタルメディア・民生機器分野は357億円の営業損失を計上するなど、厳しい状況が続いている。電子デバイス分野では、液晶事業の低迷が響いた。デジタルメディア・民生機器分野は薄型テレビが伸びたため売り上げは微増となったものの、薄型テレビや白物家電の価格下落により、昨年の86億円の利益から大幅赤字に転落した。

 2007年3月期の業績予想は、売上高が9兆7000億円、営業利益が2900億円、当期純利益は550億円である。情報通信システム分野の売上高は7%増の2兆5300億円、そのうちソフト/サービスは2%増の1兆800億円、ハードは11%増の1兆4500億円を見込む。営業利益は、情報通信システム分野全体で10%増の930億円。ソフト/サービスは、コンサルタント事業強化に向け投資を増やすため6%減益の790億円だが、ハードはハードディスク事業の収益が改善するため、前年比14倍の140億円と予想する。

 電子デバイス分野は液晶事業を2006年度に黒字化する見込みであることから、81%増の370億円の利益を確保する。デジタルメディア・民生機器分野は依然として厳しい状況が続くが、2006年度は赤字幅を前期よりも77億円縮小することを目指す。