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 富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)は、大地震の発生を揺れが到達する前に知ることができるサービス「緊急地震速報」の受信システムを全国のデータ・センターに導入する。2006年9月までに全国13の全センターに設置する計画で、現在は川崎市と横浜市のセンターで試験運用を開始している。投資額は総額で約500万円。

 富士通FIPは、震度5弱以上の揺れの情報を受信した時点で、対象となるセンターで「地震です」といった館内放送を流したり、警告灯を点滅させたりして警告する。震源からの距離によって異なるが、揺れるまでに数秒から20秒程度の時間を得ることができる。同社のスタッフやサーバーの保守などで入室しているユーザーは、センター内での作業を中断し安全な場所に退避することが定められている(写真)。

 緊急地震速報は気象庁などが全国に設置した速報地震計のデータを基に震源や震度を推定し、利用者に配信するサービス。現在のところ、気象庁が特定の利用者に向けて試験を実施している。富士通FIPが採用している「地震です」といったメッセージ以外にも、「あと20秒で震度6の地震が来ます」といったより詳しい情報を流すことも可能だ。

 富士通FIPは緊急地震速報の情報を警告以外にも活用することを検討している。

 例えば、センターで運用しているユーザー企業のシステム制御である。情報をトリガーに、ユーザーのシステム処理を、遠隔地のセンターで運用するバックアップ・システムへと移管する。富士通FIP センタサービス統括部センタ計画部の駒井勝久担当部長は「大きな揺れが到達する前に処理を移すことで、まさに処理を行っているトランザクションのデータを確実に保護できるのではないか」と話す。

 同社は自社での活用も計画している。2006年夏ごろまでに、東京を中心としたエリアの社員のパソコン画面に緊急地震速報の情報をプッシュ配信する。また、震度情報をもとに、オフィス内のエレベーターを最寄の階で緊急停止させたり、オフィスの出入りをチェックするセキュリティ・ゲートの扉を避難のために開放する、といった対策も予定している。

 なお、緊急地震速報は気象庁が実用化に向けた検討会を開催している。今年中をメドに一般利用者への配信を含めて実用化する見通し。富士通FIPは緊急地震速報の受信システムを外販する。