中堅インテグレータの日本システムウエア(NSW)は5月10日、一人の社員がこの1年間行った不正取引の全容が解明したことを発表した。NSWによれば、該当の社員は2005年4月から2006年3月の間に、36件の取り引きで不正を働き、4億2800万円相当を詐取したという。NSWは「お客様、投資家の皆様はじめ関係各位の皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけすることになり、深くお詫び申し上げます」とコメントし、「今後は二度とこのような事態を発生させないよう再発防止策を徹底する」としている。
NSWの調査によると、該当の社員は取引先の印鑑を偽造し、通常の取り引きの中に架空の機器販売の書類を混在させていた。その後、機器の仕入れ資金や、仕入れた機器自体を着服したという。これにより、NSWの業績に売上高で3億5300万円、売上総利益で5300万円の影響があった。NSWはこの社員に対し刑事告発を行う予定で、現在顧問弁護士と協議している。
再発防止策としては、大きく以下の3点を挙げている。(1)これまで実施していたコンプライアンス室主催の社内セミナーなどの強化・充実を図り、全社員が確実に受講することの徹底化、(2)契約書の承認手続きの厳格化や納品物検品の徹底化、請求書発行などを第三者が実施するなど、内部統制の強化、(3)内部監査の強化、である。