電通国際情報サービス(ISID)の2006年3月期決算は、売上高が対前年度比4.7%減の686億9300万円、営業利益が同34.9%増の24億6400万円、経常利益が同21.6%増の27億9000万円だった。売り上げ減少の中、開発リスクの管理強化や外注費などのコスト圧縮に努め、増益を確保した。
顧客の業種別で見ると、金融業向けの売上高が対前年度比7.8%増と伸びた一方で、流通業などの落ち込みが足を引っ張った。製造業やサービス業向けの売上高も1%台の減少と、伸び悩んだ。
今回の決算では1年前の業績予想が未達だったこともあり、2007年度までの中期経営計画で掲げた業績目標も下方修正した。2006年度から増収増益に転じる見通しは変えないが、2007年度の目標業績を当初の売上高850億円、営業利益58億円から、それぞれ800億円、53億円へと修正した。2006年度の業績は、売上高が対前年度比10.6%増の759億7300万円、営業利益が同55.1%増の38億2100万円を見込んでいる。
中期経営計画を達成する施策としては、(1)マーケティングソリューションを筆頭とする新分野を開拓、(2)人手に依存した受託開発からパッケージ販売へのシフト、(3)外注費や販売管理費などのコスト削減――などを引き続き強化する。例えば、外注費の圧縮では、今期から中国・上海の現地法人を介した、本格的なオフショア開発の活用に乗り出すという。