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野村総合研究所 寺田雄一氏(撮影:菅野勝男)
野村総合研究所 寺田雄一氏(撮影:菅野勝男)
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 「オープンソース・ソフトウェア(OSS)を企業で導入して成功させるためには、3つのポイントが必要」と説いたのは、野村総合研究所(NRI)オープンソースソリューションセンター(OSSC)、グループマネジャーの寺田雄一氏。日経BP社が5月15日、開催したセミナー「Open Source Revolution!」での1コマである。自社内での実践から生み出されたポイントである。

 1つ目のポイントとなる「社内標準」は、数あるOSSの中から社内で利用するOSSを決めて標準化しようという提案である。OSSのミドルウェアの数は多いが、「すべてのOSSがすばらしいというわけではない。やみくもに使うのではなく、コントロールしながら使うのがポイント」(寺田氏)。標準を定めることは次のポイントにつながる。

 2つ目の「組み合わせ」は、OSSのミドルウェアなどの組み合わせを固定するという指摘である。OSSは1つ1つは単機能なものが多いので組み合わせて使うことがほとんど。「商用製品でも組み合わせによっては不具合が出る。選択肢が多いOSSでプロジェクトごと、シテムごとに組み合わせを変えるとさらにトラブルが出やすくなる」と寺田氏はいう。そこで組み合わせを検証して、それを固定的に使うのがポイントというわけだ。3つ目の「専門組織」は、OSSを担当する専任の組織を作るべしという提案である。

 これら3つのポイントはNRI社内でどのように行っているのか。まず、専門組織として寺田氏が所属するOSSCを設けている。これは寺田氏らの提案で設立したものだ。このOSSCが、OSSの社内標準を定め、組み合わせを検証している。具体的にはOSSCで、300以上のOSSを3カ月から6カ月に1回、独自の手法により評価してカテゴリごとにソフトを選択している。そのOSSをソースを見るなどして単体で評価・検証し、標準OSSを決めている。そのOSSの組み合わせをさらに検証し、パラメータまで踏み込んで決めている。

 こうして生まれたOSSソリューションがJavaベースのアプリケーション・サーバー「OpenStandia/Application Server」と多次元情報分析ツール「OpenStandia/BI Server」である。前者はWebアプリケーション・サーバーTomcatとJBossをベースに、フレームワークのStrutsとSpring、DBアクセス・ツールHibernateを組み合わせて構築している。既存のOSSを用いるだけでなく、ログ強化、流量制御、メモリ・キャッシュなどのためにNRIがOSSとしてミドルウェア「Altostratus」を開発した。Axis、CommonsなどのJava共通ライブラリ群もサポートする。インストーラ、ドキュメント、ガイドラインも充実させ「15分くらいでパラメータ設定までできる」(寺田氏)としている。

 後者のBI Serverについては、OpenOLAPを中心にTomcat、MySQLで構成している。GUIをきれいにして使いやすくしているという。「商用BIツールは高くて気軽に使うわけにはいかない。低コストで導入できるBI Serverがとっかかりになるのでは」と寺田氏は期待を込める。

 講演の終盤、寺田氏は2005年末にリリースしたOSSによる大規模ECサイト構築の事例を紹介した。ユーザーはセブン・イレブン・ジャパンの子会社でECサイトを運営するセブンドリーム・ドットコムだ。同社のECサイトはアクセス数の変動が大きく、人気商品が発売になったときには、他の商品の購入に支障が出ることもあった。商品写真などをたくさん載せようとすると重くなってしまうこともあった。

 そこで、OpenStandia/Application Serverを用いることにより、解決を図った。OpenStandiaの流量制御機能によって、重要な画面は不可が高いときでも確実に表示できるようにした。OpenStandiaは画面キャッシュ機能を持ち、リッチな画面でも高速に表示できるようになった。コスト面では、商用ソフトと5年分の初期費用と保守費用を比べると半分の費用で構築することができた。