NECは5月17日、企業向けソリューションの営業拠点である2つのデモ施設の刷新を発表した。ブロードバンド関連ソリューションのデモ施設とITプラットフォームソリューションのデモ施設に合計約3億円を投資してリニューアル。両センターの連携も強化して、NECが掲げる「IT・通信融合ソリューション」の拡販を加速する狙いだ。
NEC取締役の瀧澤三郎執行役員専務(写真)は「今年は、通信事業者の次世代IPネットワークであるNGN(Next Generation Network)元年。NECは、今後NGNへの対応に全社を挙げて取り組んでいく。ユーザー企業はNGNを見据えて、情報システムを見直していくことで競争力を強化できる。そのためのソリューションを、センターを通じて発信していく」と話す。
2つの施設のうち17日にリニューアルオープンしたのは、ブロードバンドを活用したソリューションをデモする「NECブロードバンドソリューションセンター」(東京都品川区)。今回の刷新では、Web会議などを活用した情報共有ソリューションのブースや、モバイルフェリカ端末などを活用した店舗向けソリューションのブースを新設。来場者が実際にパソコンを操作したり、デモを見ながら商談できるソリューションルームも新たに設置した。
ブロードバンドソリューションセンターは、NECがITと通信の融合ソリューションとして掲げる「UNIVERGE」関連製品の営業拠点として2004年1月に開設したデモ施設。開設以来、ユーザー企業約4000社が来場し、センターへの来場をきっかけに案件化した、UNIVERGE関連の売り上げへの貢献は、2004年度に約700億円、2005年度には960億円に達したという。NECは、今回のセンター刷新をテコに営業活動を強化し、今年度は1200億円の貢献を目指す。
また5月29日には、ITプラットフォームソリューションのデモ施設である「iBestSolutions Center」(東京都港区)を、「NECプラットフォームイノベーションセンター」に名称変更し、施設面積を拡大するなど、顧客対応能力を増強してオープンする。NECは今後、ブロードバンドソリューションセンターとプラットフォームイノベーションセンターを連携した提案を強化していく。
NECは、IT・通信融合ソリューションの拡販を目指し、今年4月に、通信系の事業部門とIT系の業種営業、SE部門などを統合した「企業ソリューションビジネスユニット」を新設している。同ビジネスユニットでは、現在約7000億円の売り上げを、2年後に1兆円に伸ばすことを目指している。今回の両センターの刷新は、成長に向けた拡販施策の1つで、両センターの利用をきっかけとするソリューション事業への貢献は、2008年度に3000億円を目指す。