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写真 米グーグルのディープ・ニシャー モバイル プロダクト マネジメント ディレクター(左)とKDDIの高橋誠執行役員コンテンツ・メディア事業本部長(右)
写真 米グーグルのディープ・ニシャー モバイル プロダクト マネジメント ディレクター(左)とKDDIの高橋誠執行役員コンテンツ・メディア事業本部長(右)
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 KDDIと米グーグルは5月18日,au携帯電話の「EZweb」向けの検索サービスにおいて業務提携すると発表した(写真)。具体的には,7月からEZwebのトップ画面にグーグルの検索ボックスを設置。EZwebコンテンツはもちろんインターネット上のパソコン向けWebサイトを検索できるようにする。

 パソコン向けWebサイトを閲覧できるフルブラウザ「PCサイトビューアー」の搭載など,KDDIは「オープンなインターネット」への対応では競合他社を先んじてきた。インターネット検索サービス最大手のグーグルと提携することで,インターネットへの対応で他社との差をさらに広げる構えだ。

 検索結果は,EZwebの公式サイト,EZwebの一般サイト,パソコン向けWebサイトの順に表示する。EZwebコンテンツの検索では,例えば歌手名や曲名で検索すると,着うたや着うたフルのダウンロード・ページへのダイレクトのリンクを返す。そのため,「コンテンツのダウンロードは今までより増える」(KDDIの高橋誠執行役員コンテンツ・メディア事業本部長)と見込んでいる。

 パソコン向けWebサイトは,携帯電話の標準ブラウザで閲覧するリンクと,PCサイトビューアーで閲覧するリンクの2種類を用意する。前者は,グーグルが提供するコンテンツ変換サービスを介して携帯電話向けにテキストだけを抽出して表示。後者は,パソコン向けWebページを携帯電話の画面サイズに合わせて表示する。

 KDDIの高橋執行役員は,「現在の携帯電話は,情報の検索ツールとしてはぜい弱。何か別のことをやりながらでも,知りたいことがあったらその場で即座に検索できるような仕組みを作りたい」と今回の提携の狙いを語った。「ユーザーの利用シーンが増えることで,トラフィック収入の増加も見込める」(高橋執行役員)と期待する。

 EZwebの検索ボックスへのグーグル採用は,業務提携で実現するサービスの第1弾。今後,グーグルが提供するほかのサービスの活用や,GPS(全地球測位システム)との連動などを検討していくとしている。

 会見中,高橋執行役員から「例えば携帯電話でショッピングする場合,ポータルから利用するのはもう古い。これからは検索からショッピング・サイトに行く時代になる」という発言が飛び出すなど,Yahoo!を軸に事業を進めるソフトバンクへの対抗意識が見え隠れ。直前に会見(関連記事)していたソフトバンクが「モバイル・ポータルでNo.1のポジションを目指す」という方向性を示したのに対し,真っ向から噛み付いた格好だ。