NECは5月23日、ERPパッケージ(統合業務パッケージ)の新版「EXPLANNER/Ai」を発表。同時に、年商500億円以下の中堅企業に向けたERP事業の営業体制を強化するとした。岩波利光常務は、「今後、NECグループの総力を挙げて、EXPLANNERビジネスに注力していく。現在、中堅企業向けERP市場でEXPLANNERのシェアは10位以下だが、2008年度には5位まで持って行きたい」と強調した。
EXPLANNER/Aiは会計・販売・人事の3モジュールで構成する。同社が2000年から販売していたERPパッケージ「EXPLANNER/A」の後継製品だ。特徴は、同社の開発フレームワーク「System Director Enterprise(SDE)」を含んでいること。「SDEとともにEXPLANNER/Aiの設計情報を提供するため、業務の変化に合わせたシステムの変更が容易になる」と第二国内SI推進本部の中村敏統括マネージャーは説明する。またSDEの提供によって、製造業向けパッケージ「EXPLANNER/J」や、建設業向けの「EXPLANNER/C」といった特定業種向けパッケージとの連携が容易になるという。
このほか、EXPLANNER/Aiでは内部統制の確立を支援する機能を強化した。ワークフローやアクセス管理、ログ管理といった機能を標準で提供。前版では個別に提供していたモジュールごとのマスターを一元化し、データの整合性を確保するようにした。
EXPLANNER/Aiの対応OSはWindows、データベースはOracle。価格はSDEを含まない最小構成版が100万円から。SDEの価格は、「50万~100万円の間で検討中」(中村統括マネージャー)だ。出荷は8月。NECグループの企業内には個別に中堅企業向けパッケージ開発している企業があるが、「今後はEXPLANNERブランドの下に統合していく」(岩波常務)。
営業体制の強化としては、すでに4月、NECソフトに300人から成る「EXPLANNER事業部」を設立済み。技術情報や顧客からの要望をEXPLANNER事業部内のサポートセンターで一元管理することで、「顧客の声を反映した機能強化を実施していきたい」(NECソフトの大谷啓史執行役員)という。その後NECのグループ内で、EXPLANNERの営業担当者を800人に増やした。こうした施策により、2008年度までにEXPLANNER関連事業で800億円の売り上げを目指す。