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写真1:左からNECの小林一彦専務,矢野薫社長,米Microsoftのスティーブ・バルマーCEO,マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長。
写真1:左からNECの小林一彦専務,矢野薫社長,米Microsoftのスティーブ・バルマーCEO,マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長。
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写真2:Media Centerパソコンのデジタル放送対応などをNECとMicrosoftが協力して推進する。
写真2:Media Centerパソコンのデジタル放送対応などをNECとMicrosoftが協力して推進する。
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 NECと米Microsoftは5月24日,両社の技術提携を強化すると発表した(写真1)。両社は1979年からパソコン領域で,1993年からサーバー領域で提携関係にあるが,ITとネットワークの融合に関する領域や,高信頼性サーバー領域やHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)用サーバー領域にも提携関係を拡大する。またパソコン領域でも,「Media Centerパソコン」の共同開発などで,提携関係が拡大している。

 NECとMicrosoftによる新しい協業内容は,以下の6つである。(1)NECのIP電話ミドルウエア群「UNIVERGE」とMicrosoftの企業向けメッセンジャー製品「Office Live Communications Server」をはじめとするOffice製品群と連携可能にする,(2)大型PCサーバー(最大128プロセッサ構成)用Windowsや次世代無停止サーバー用Windowsを共同で開発する,(3)HPC用の「Windows Compute Cluster Server」でNECのスーパーコンピュータ用ファイル・システム「Global File System(GPS)」を利用可能にする,(4)パテント・クロス・ライセンス契約を締結する,(5)NECの業務パッケージ製品を.NET対応にする(第一弾は自治体向け人事/会計パッケージ・ソフト),(6)Media Centerパソコンを共同開発する---である。

 (1)のUNIVERGEとLive Communications Serverの連携については,既に発表済み(関連記事:OfficeアプリからIP電話,NECがコミュニケーション分野でMSと戦略的提携)。また(2)と(3)のサーバー領域における協業強化も,従来路線のほぼ延長である。(6)は,Microsoftのメディア・パソコン用OSである「Windows XP Media Center Edition」を,NECの手によって日本市場に合った仕様に変更する取り組みである。

 NECは2006年夏モデルから,テレビ・チューナを搭載するデスクトップ・パソコンのOSを「Windows XP Media Center Edition(MCE) 2005」に変更している。しかし,デジタル・テレビ・チューナ搭載製品では,MCE特有の「10フィートUI(ユーザー・インターフェース)」からテレビを見られない。これは,MCEが日本の地上デジタル放送,CS/BSデジタル放送に対応していないためである。

 そこでNECとMicrosoftが協力して,MCEのデジタル放送対応を進めることになった。またMCEのUI自体を,NECがカスタマイズできるようになった。今回の発表では,MCEの「テレビ番組表」のカスタマイズが例としてあげられた(写真2)。「MCEのテレビ番組表は,縦方向にチャンネルが,横方向に時刻が並んでいる。しかし日本のユーザーがなじんでいる新聞のテレビ欄の並びは逆で,縦方向は時刻で横方向がチャンネルである。NECのテレビ番組表ソフトでも,並びは新聞のテレビ欄に準じている。NECとMicrosoftが協業することで,MCEのテレビ番組表を日本の新聞のテレビ欄に準じた形式にできるようになる」(NEC執行役員専務の小林一彦氏)。

 日本では,テレビ・パソコンはパソコン・メーカーが独自に作り込んでおり,MCEの採用は進んでいない。Microsoftとしては,MCEの仕様を独善的に決めるのではなく,パソコン・メーカーによってUIなどを変更可能にすることで,MCEの採用を容易にする狙いがある。