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写真 クアルコムジャパンの松本 徹三取締役会長<BR>なお,松本会長は5月末にクアルコムジャパンの会長を退き,米クアルコムの上級副社長に就任する予定
写真 クアルコムジャパンの松本 徹三取締役会長<BR>なお,松本会長は5月末にクアルコムジャパンの会長を退き,米クアルコムの上級副社長に就任する予定
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 米クアルコムは5月26日,日米欧の携帯電話向け放送サービスの3方式に対応したチップセット「UBM」(universal broadcast modem)を2007年1月にもサンプル出荷する計画を発表した。

 UBMは一つのチップで,米クアルコムが開発した携帯端末向け放送技術「MediaFLO」と日本の携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」,欧米の地上デジタル放送規格「DVB-H」の三つに対応する。UBMのサンプル出荷後,10カ月程度で製品化されるとの計算を根拠に,2007年末にはUBMを搭載した携帯電話機が登場するとしている。

 「今回のチップは日本の意見をかなり通した」。クアルコムジャパンの松本 徹三取締役会長は,日本での説明会で開口一番,UBMをこう紹介した(写真)。新チップセットの対応周波数は470M~862MHzと,日本の現在のアナログTV放送の周波数をすべてカバーする。しかも複数の周波数ネットワークを選択可能にし,地域ごとに周波数を切り替えて放送を受信できる機能を盛り込んだ。

 クアルコムは日本では,2012年以降にデジタル放送と携帯電話事業の境界線となる周波数帯(710M~722MHz)をMediaFLOで使いたいとの意向を持つ。さらに2008年から2012年までは現在アナログTV放送などで使っている周波数帯のうち,使われていない周波数帯を地域ごとに借用し,MediaFLOサービスを提供したいとのもくろみもある。UBMを搭載してMediaFLOを受信できる携帯電話が2008年に登場すれば,日本でMediaFLOサービスを提供する環境が整う。電波の割り当てをつかさどる総務省への働きかけは,2005年12月にKDDIとクアルコムジャパンが設立した企画会社「メディアフロージャパン企画」を通じて行うという。

 さらに松本会長は「MediaFLOとワンセグは共存する」と強調。無料の地上デジタル放送を提供するワンセグと,有料放送や蓄積放送などの多チャンネル放送を目指すMediaFLOは競合しないとの見方を示した。