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価格はルーターが1万9800円、PCカードが1万2800円
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手前のランプが青く光り、接続状況を示す
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エリック・トン アジアパシフィック担当副社長
エリック・トン アジアパシフィック担当副社長
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 周辺機器メーカーの米ベルキンは2006年5月30日、次世代の無線LAN規格「IEEE802.11n」の草案(ドラフト)に準拠した「N1 Wireless」シリーズを8月上旬に国内販売すると発表した。通信速度の理論値は150Mbps。従来の11g方式の54Mbpsから速度を大幅に向上した。11nドラフト製品の国内発表は初めてになる。

 IEEE802.11nは2007年に正式策定が見込まれる新しい無線LAN規格。2006年1月に初期の草案(ドラフト)が決定となった。「N1 Wireless」は、このドラフト仕様に従った製品となる。無線LANチップは米アセロスコミュニケーションズ製を採用する。

 複数のアンテナを使って通信を高速化するMIMO技術を使う。MIMOは11nの仕様に含まれている。理論値は150Mbpsだが、実効速度はその半分の最大75Mbpsになるという。海外向け製品では、電波の周波数帯を従来の2倍(40MHz幅)に広げることで理論値300Mbpsとしている。国内では現在、40MHz幅を使う無線LAN通信を認可していないため、通信速度の理論値は最大が150Mbpsとなる。総務省による関連規定の改訂が進めば、理論値300Mbpsの機器の国内への投入を進める。

 ファームウエアの書き換えによる11nの正式規格への対応については、保証はできないとしている。ただし、11nの規格に大きな変更が加わる可能性は少なく、書き換えで対応できる見通しだという。

 製品投入の方針や今後の展開についてアジアパシフィック担当のエリック・トン副社長に聞いた。

■この時期にドラフト11n製品を投入する理由は。

 通信速度に対するユーザーの強い要求があるため、11nの正式規格が定まっていない状態でも投入する意義があると判断した。今回の製品ではアクセスポイントから離れても、十分に高速な通信を実現できる。例えば、家庭内で動画の配信、音声、ゲームと複数の用途で使ってもデータを同時に送信できる。無線LANの新たな用途と需要が生まれるはずだ。

■正式策定前に製品を投入することで混乱を招く恐れはないか。

 ユーザーの高速化に対する要望を満たすことができれば、製品を選ぶ際の混乱は起きないはずだ。以前、MIMO技術を搭載して高速化した製品を投入した。この際には、性能の高さが報道記事を通して知られるようになり、ユーザーの強い指示が得られた。今回も6月中旬には性能を測定できる評価版を完成させる予定で、よい評価が得られると考えている。現状は、無線LANチップの改良を重ねている状況だが、実効速度75Mbpsにかなり近い性能が出ている。

■現状のドラフト製品では正式規格へアップグレードできないという声もある。

 これまでのIEEE(米国電気電子技術者協会)による規格策定の経緯から判断して、今回の11n規格はドラフトから大きな変更は少ないと考えている。完全な保証はできないとはいえ、アップグレードできる可能性は高い。

■国内の無線LAN機器メーカーにはどう対抗するか。

 通信の機能自体は他社と変らないため、製品のデザイン性やマニュアルの使いやすさといった使い勝手の部分でアピールしていく。セキュリティ設定では、独自方式ではなく「Windows Connect Now」など業界標準となりそうなものに対応していく方針だ。無線LAN機器でシェア10%を取ることが目標。11n製品の中では特に高いシェアを狙いたい。