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 政府の規制改革・民間開放推進会議(推進会議)は5月30日,6月下旬に予定する答申の作成に向けた論点整理と見解を公表した。「通信・放送関連規制の見直し」の項目の中では,NTTに関する見解を明記している。

 推進会議は,IP化時代を迎える中で,NTT東西地域会社がアクセスを独占しつつ持ち株会社の下で一体経営を展開することは,ブロードバンド市場の公正競争を阻害する恐れもあると指摘。一層の競争促進のためには,まずはアクセス部門などのボトルネック設備を機能分離し,接続会計の整理やドミナント規制の強化などを徹底すべきだと指摘した。

 さらに,時期は明言していないものの,できるだけ早期に通信関連法を抜本的に改正し,NTT持ち株会社の廃止や,東西NTTの業務範囲規制の撤廃などを行うべきとも提言。持ち株会社廃止後も東西NTTによるアクセス部分の独占状態が続く場合は,他事業者の公平な利用を担保できる仕組みを設けるべきだとしている。

 NTTの組織形態については,竹中平蔵総務大臣が直轄する諮問機関「通信・放送の在り方に関する懇談会(竹中懇)」でも議論されている。こちらでは,NTTのアクセス部門の機能分離や構造分離,持ち株会社を廃止して事業会社を資本分離する案が検討された。竹中懇の最終報告の骨子案では,NTT持ち株会社の廃止などは明記していないが,「NTTの在り方の抜本的改革を実施すべきで,そのための検討を即座に開始すべき」としている。今回の推進会議の見解は,竹中懇の議論と歩調を合わせた形になっている。

 今後,推進会議は今回の論点整理と見解を基に答申を作成し,「骨太方針」への反映を目指す。しかし,NTTの組織形態の在り方については片山虎之助自民党参議院幹事長が委員長を務める自民党の「電気通信調査会 通信・放送産業高度化小委員会」でも検討中。同委員会の報告書の素案では,推進会議や竹中懇の見解とは異なり,「2010年ころにNTT法などの改正を検討すべき」としており,議論を先送りする内容となっている。NTTの組織の在り方を巡っては,自民党との調整が必要になりそうだ。