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 マイクロソフトは5月30日,次期版オフィス・スイート「2007 Microsoft Office system(以下Office 2007)」に関する説明会「Reviewers Workshop」を開催した。ITproでは8回に分けて,Reviewers Workshopで紹介されたOfficeの新機能を紹介する。今回は,Word,Excel,PowerPoint,Accessで採用される新しいユーザー・インターフェース(UI)について説明しよう。

 マイクロソフトOffice製品マーケティンググループの田中道明マネージャは「Office 2007では,過去10年のOfficeで最大の変化がある」と強調する。これまでのOfficeの歴史は,機能追加の歴史であった。例えば,1989年に登場した「Word for Windows 1.0」には,わずか100個のコマンドしか搭載されておらず,ツール・バーの総数は2本だけだった。それが現行の「Word 2003」では,コマンドの総数は1500個以上になり,ツール・バーの総数は31本に,画面右側に表示される「作業ウインドウ」の種類も19種類にも増えた。あまりに機能が増えすぎたため,ほとんどのユーザーがOfficeにどんな機能があるのか把握できなくなったのが実情である。

 そこでOffice 2007では,増えすぎた機能を使いやすくするために「結果指向のユーザー・インターフェース」を採用した。結果指向UIとは「ユーザーが使い方を学習しなくても,どういう結果が得られるか一目で分かるUI」(田中氏)であるという。田中氏は結果指向UIの例として「リボン」「ライブ・プレビュー」「Officeテーマ」「SmartArtグラフィック」を挙げた。これらを画面ショットを見ながら解説する。

ユーザーの作業状況に応じて変更されるメニュー

 Office 2007では,アイコンの格納領域が従来のメニューやツール・バーから「リボン」に変更される。アイコンは機能別にグループ分けされており,機能名が記された「タブ」を選択すると、リボンの中身が切り替わる(写真1)


写真1:「タブ」を選択することで切り替わる「リボン」の中身(Excel 2007)
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 リボンの中身は,編集内容に応じて変化する。例えばPowerPoint 2007では,[挿入]タブを選択すると写真2のようなリボンの中身になる。続いて左上の[図形の挿入]ブロックから図形を選んで描画を行うと,リボンの中身が写真3のように,図形の編集に適した内容に変化する。つまりOffice 2007は,ユーザーの作業状況に応じて,必要となる機能を優先的に前面に表示してくれるのだ。


写真2:[挿入]タブを選択したときのリボンの中身
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写真3:図形挿入後のリボンの中身
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繰り返しの手間を省ける「ライブ・プレビュー」

 結果指向UIのもう1つの柱が,「ライブ・プレビュー」である。例えばOffice 2007では,プルダウン・メニューでフォントの候補を選んだだけで,本文全体のフォントが変更される(写真4)。Office 2003までは,実際にフォントを変更しなければ全体の見た目の確認ができなかったので,気に入った見た目になるまで何度でも同じ作業を繰り返す必要があった。それがOffice 2007では,繰り返しの手間が大幅に軽減される。


写真4:ライブ・プレビューによってフォント変更後の見栄えがすぐに確認できる
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 マイクロソフトOffice製品マーケティングループの田中道明マネージャは「ライブ・プレビューができるようになったのは,Officeのグラフィック・エンジンが全面刷新されたため」と説明する。

統一感のあるドキュメントを作成できる「Officeテーマ」

 「Officeテーマ」や「SmartArtグラフィック」は,見た目の優れたドキュメントを作りやすくする機能である。

 Officeテーマを使うと,ドキュメント全体の見た目を左右する配色や背景を,多数あるテンプレートの中から選択できる(写真5)。ここで選んだ配色などは,後述する「SmartArtグラフィック」における罫線や図形の配色にも適用される。従来バージョンのOffice 2003でも,「デザイン・テンプレート」によって配色や背景を選択できた。Office 2007の場合,ドキュメント内の罫線や図形の見た目も統一される点が従来の「デザイン・テンプレート」と異なる点だ。


写真5:Officeテーマでドキュメント全体の配色を選択した画面
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 SmartArtグラフィックは,箇条書きのテキストから簡単にフローチャートなどの図形を作成する機能である(写真6)。図形を自動的に作成した後でも,テキストを編集するだけで図形の形が変更される(写真7)。図形のパターンは80種類用意されている。


写真6:SmartArtグラフィックによって箇条書きテキストから図形を作成
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写真7:テキストを修正すると図形も修正される
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 これら「リボン」「ライブ・プレビュー」「Officeテーマ」「SmartArtグラフィック」は,Word,Excel,PowerPointの統一したユーザー・インターフェースである。またOutlookでも,メールの作成画面などでこのインターフェースが採用されている。

 マイクロソフトの田中氏によれば「新しいユーザー・インターフェースに移行することによって,同じ文書を作成するのに必要なクリック数が,Office 2003と比較して約60~65%削減する」という。ただし,各コマンドのアイコン(ボタン)のデザインは従来のままであるほか,ショートカット・キーなどもOffice 2003と同じなので「これまで学習したOfficeに関する知識や経験は,Office 2007でも活かせる」(田中氏)という。

【どう変わる?Office 2007】バックナンバー

  • UI編---膨大な機能をより使いやすく
  • Word編---定型作業が簡略化
  • Excel編---「行×列」が1024倍に
  • PowerPoint編---高品質なプレゼン資料が簡単に
  • IME編---予測入力機能などを追加
  • SharePoint編---企業情報ポータルが「コラボレーション・ポータル」に進化
  • Groove編---「Notesの父」が作ったP2P型グループウエア
  • Exchange/Outlook編---予定の調整が便利に