香港の大手財閥、ハチソン・ワンポア社(HWL)系列の携帯電話事業者である香港ハチソン・テレホン社(HTCL)は、NTTドコモが日本国内で提供している「おサイフケータイ」と同様のサービスを香港・マカオで提供する方向で検討を開始した。NTTドコモと提携し、サービスの構築・運営や携帯電話機の開発などに関するノウハウの供与を受ける。「提供時期やサービス内容など具体的なことは今後詰める」(NTTドコモ)としているが、実現すればおサイフケータイの初の海外展開事例となる。

 香港では地下鉄やバス、小売店などの少額決済に向け、非接触型ICカード「オクトパスカード(八達通)」が広く普及しており、大半の市民が保有している。オクトパスカードの規格は、おサイフケータイと同じフェリカネットワークスの「FeliCa」に準拠している。既に広く設置されているオクトパスカードのリーダー/ライターをそのまま利用できるなど、おサイフケータイの導入が比較的容易な環境にある。また、NTTドコモはHWL系列の第3世代携帯電話(3G)事業者である香港ハチソン3G HKホールディング社に24.1%出資しており、3G端末での国際ローミングサービスを相互提供するなど関係も深い。