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 マイクロソフトが5月30日に開催した,オフィス・スイート次期版「2007 Microsoft Office system(Office 2007)」に関する説明会「Reviewers Workshop」に基づき,8回に分けてOfficeの新機能を紹介する。今回は,「企業情報ポータル・サーバー」から「コラボレーション・ポータル」に位置付けを変えようとしている「SharePoint Server 2007」の新機能について説明しよう。

 現行バージョンの「SharePoint」の位置付けは,製品名である「SharePoint Portal Server」が示す通り「企業情報ポータル(EIP)ソフト」であった。従業員にとって必要な情報を集約した企業情報ポータル・サイトを構築するためのサーバー製品が,SharePointだったのだ。しかし次期バージョンからは「Portal」の名前が外れ,製品名も「SharePoint Server 2007」になる。そして製品の位置付けも従来のEIPソフトから,「コラボレーション・ポータル」に変わる。情報を共有するだけでなく,ワークフロー管理などの業務を行う「場」に進化するというのだ。より「グループウエア」に近づいたと言える。

Exchangeの「パブリック・フォルダ」は“次々期版”で廃止,SharePointへ全面移行

 これまで,マイクロソフトのグループウエアといえば「Exchange Server」のことを指していた。しかしExchange Serverは今後「メッセージング・ソフト(メール・ソフト)」に特化する(写真1)。この動きの1つの象徴が,次々期版のExchange Serverで予定している「パブリック・フォルダ機能」の廃止と,SharePoint 2007に「OutlookからSharePointの共有フォルダやカレンダを利用する機能」が新規追加されたことである。


写真1:Office製品の一覧。SharePointは「コラボレーション・ポータル」,Exchangeは「メッセージング」との位置付けになっている
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 Exchange Serverのパブリック・フォルダとは,Exchangeユーザー同士で共有したいファイルなどを保存するフォルダのことである。このパブリック・フォルダが次々期版Exchange Serverで廃止される予定なのだ。

 このことは,米MicrosoftでExchangeの開発を統括しているTerry Myerson氏が,Exchange開発チームの公式ブログ「The Microsoft Exchange Team Blog - You Had Me At EHLO」で2006年2月20日(米国時間)に明らかにした(該当記事「Exchange 12 and Public Folders」)。Myerson氏はブログで「We are "de-emphasizing" Public Folders - which means that Public Folders may not be in our next major release after E12.(われわれはパブリック・フォルダに力を入れていない。これはつまり,パブリック・フォルダがExchange 12の次のメジャー・バージョンに恐らく入らないことを意味している)」と述べている。

 現在のパブリック・フォルダの役割は,SharePoint 2007の共有フォルダが担うことになる。これまでSharePointの共有フォルダにはWebブラウザでしかアクセスできず,オフラインでは共有フォルダのファイルを利用できなかった。それがSharePoint 2007からは,OutlookからSharePointの共有フォルダにアクセスできるようになる(写真2)。Outlookにファイルをダウンロードしておけば,オフラインでも共有フォルダのファイルを利用できるわけだ(写真3)


写真2:Outlook 2007からSharePoint 2007の共有フォルダにアクセスした画面
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写真3:SharePoint 2007のWebサイトでOutlook 2007にファイルをダウンロードする画面
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 またSharePointの共有フォルダに電子メール・アドレスを設定し,共有フォルダに電子メールを使ってファイルをアップロードできるようにもなる。こういった機能は,Exchangeのパブリック・フォルダに実装されている機能である。

 SharePointで管理する予定表(カレンダ)もOutlookで利用可能になる。これまでもOutlookからSharePointの予定表を閲覧できたが,書き込みはできなかった。それがSharePoint 2007では,Exchange Serverの予定表と同じようにOutlookを使ってスケジュールの追加などもできるようになった。

ブログやWiki機能,プロジェクト管理機能も搭載

 SharePoint 2007のコラボレーション機能をさらに見ていこう(写真4)。SharePoint 2007では「To Doリスト」の機能が強化され,従業員のジョブ・アサイン(現在遂行中の業務)なども把握できるプロジェクト管理機能も追加された(写真5)。この機能は「Project Lite」と呼ばれており,マイクロソフトのプロジェクト管理ソフト「Project」に似た画面構成になっている。


写真4:SharePoint 2007の新機能一覧
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写真5:SharePoint 2007に追加されたプロジェクト管理機能の画面
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 情報共有機能に関しては,従来からある共有フォルダや掲示板(ディスカッション)に加えて,ブログやWiki(複数人で編集できるWebページ管理ツール)の機能も搭載される。また「Project Server」や帳票管理ソフトの「Forms Server」(Office 2007の新製品),業務分析(ビジネス・インテリジェンス)ソフトの「Business Scorecard Manager」といった業務アプリケーションの情報なども,SharePointのWebサーバーで閲覧できるようになる。

申請と承認のワークフロー管理をSharePointで

 業務に関連する書類の申請や承認といったワークフローも,SharePointで管理できるようになる。SharePointにおけるワークフロー管理の特徴は,WordやExcelの文書ファイル(ドキュメント)そのものを使って,申請や承認の業務を行うことである。

 例えば,予算の申請を行いたい場合,従業員は申請事項をワードの定型フォーマットに記入して,そのWord文書をSharePointの申請用共有フォルダフォルダにアップロードする。上司は申請用フォルダにある文書をダウンロードしてWordで開き,ヘッダーなどに「承認済み」などの情報を追加して書類を承認する。写真6は,Wordで文書を承認した画面である。ここでは承認の印鑑を押す代わりに,承認済みを示すバーコードをWord文書に挿入している。


写真6:Wordを使って予算の申請・承認を行っている画面。印鑑の代わりにバーコードをヘッダに挿入している
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RSSに対応することで,最新の情報を把握しやすくなった

 最後に,情報共有に関する基本的な機能強化点を紹介しよう。まず,SharePoint 2007は,RSSに全面対応する。共有ファイルに追加された新着ファイルや,掲示板(ディスカッション)の新着書き込みなどの情報を,RSSフィードとして受信できるようになった。わざわざWebページを開いて新着情報の有無をチェックする必要がなくなった。

 「PPTスライドライブラリ」も便利な新機能の1つだ。PPTとは,PowerPointドキュメントの拡張子である。Windowsのエクスプローラを使って,PowerPointファイルが入ったフォルダを閲覧すると,スライドの1ページ目がサムネイル表示される。「PPTスライドライブラリ」は,このサムネイル表示をSharePointのWebページで実現した機能である。SharePointの共有フォルダに入ったPowerPointファイルを,スライドのサムネイルを見ながら選択できるようになった(写真7)


写真7:SharePointのWebサイトでも,PowerPointファイルのスライドの1枚目をサムネイル表示できるようになった
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【どう変わる?Office 2007】バックナンバー

  • UI編---膨大な機能をより使いやすく
  • Word編---定型作業が簡略化
  • Excel編---「行×列」が1024倍に
  • PowerPoint編---高品質なプレゼン資料が簡単に
  • IME編---予測入力機能などを追加
  • SharePoint編---企業情報ポータルが「コラボレーション・ポータル」に進化
  • Groove 編---「Notesの父」が作ったP2P型グループウエア
  • Exchange/Outlook編---予定の調整が便利に