NECは,WAN高速化装置「WanBooster」を2006年8月1日に出荷する。ハードウエア性能に応じて3機種を用意した。価格は,最安価機種で200万円(税別)。米Riverbed Technologyが開発したWAN高速化ソフト「RiOS」を,NECのラックマウント型PCサーバー機にインストールしたアプライアンスである。
3機種の価格と性能は以下の通り。3機種とも高さは1U。価格200万円のWanBooster520は,WAN送出トラフィックが最大1Mビット/秒,同時TCPコネクション数が300。価格280万円のWanBooster1020は,WAN送出トラフィックが最大2Mビット/秒,同時TCPコネクション数が625。価格480万円のWanBooster2020は,WAN送出トラフィックが最大10Mビット/秒,同時TCPコネクション数が2000。
WAN高速化装置は,WANを経由したデータ通信を高速化する。背景には,通信回線を使って遠隔拠点をつなぐWANは,構内LANと比べて遅延が大きいという状況がある。遅延によるデータ通信のレスポンスを改善することで,あたかも構内LANを使っているかのようなレスポンスが得られる。具体的な機能は,転送データのキャッシュと圧縮,TCPウィンドウサイズの拡大による通信回数の削減,アプリケーション固有のラウンド・トリップの抑制,などである。
なお,WanBoosterが搭載するRiOSの開発元である米Riverbed Technologyは,自社でハードウエア一体型のWAN高速化装置「Steelhead」を出荷している。