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 総務省は6月6日,「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」(IP懇談会)の第7回会合を開催した。今回は,電気通信事業紛争処理委員会と公正取引委員会から意見を聞き,主要論点の第2次案を議論した。

 電気通信事業紛争処理委員会からは,電気通信事業における紛争処理の現状と課題が説明された。総務省では通信事業者間の紛争を公正に解決するため,同委員会を2001年から設置している。これまでは円滑に機能してきたが,IP化の進展により今後解決できない問題が出てくる可能性があるとした。例えば現状では,同委員会が対応するのは通信事業者間の紛争のみ。通信事業者とコンテンツ・プロバイダとの間で紛争が起こった場合,相談を受けることはあっても対応しない。

 公正取引委員会からは,IP化の進展に伴う競争政策上の課題が示された。事務総局経済取引局の横田俊之・調整課長は,「現状のアクセス網はボトルネック性があると考えている。光ファイバの開放義務は引き続き必要で,接続ルールなどの適切な見直しを行うべき」とする考えを披露した。

 NTTグループが進める次世代IPネットワーク(NGN)に対しても,「オープンな議論の下でネットワークの設計が行われる必要がある。その上で,NTTと競争事業者が同一条件で,それぞれのサービスを提供できることが競争政策上望ましい」という意見を示した。さらにNTTがFMC(fixed mobile convergence)サービスを提供した場合,「固定と携帯の両方がドミナントの地位にあるため,その地位を不当に利用して競争事業者を排除するなどの行為があった場合は独占禁止法上の問題となる」と説明。その例として,「接続の拒否」,「接続における差別的な扱い」,「サービスの提供に要する費用を著しく下回る水準の料金設定」などを挙げた。

 今回の会合では,4月4日から5月10日にかけて行った意見募集を踏まえ,主要論点の第2次案が提示された。第2次案では,「ネットワークの中立性の確保の在り方」と「今後の検討の進め方」の二つの大項目が追加された。前者は“インフラただ乗り論”によるコンテンツやアプリケーションの差別的な扱いなどを議論するもの。第1次案では「IP化の進展に対応したその他の政策課題」の一つとして検討されていたが,格上げされた。後者は,検討すべき課題の優先順位などを踏まえ,2010年初頭を目安に政策の展開や検証などを計画的に進めていくべきとする内容が追加された。次回の会合は6月21日に開催する予定である。