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写真 懇談会終了後の会見で報告する竹中平蔵総務大臣と座長の松原聡東洋大学教授
写真 懇談会終了後の会見で報告する竹中平蔵総務大臣と座長の松原聡東洋大学教授
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 竹中平蔵総務大臣が主催する「通信・放送の在り方に関する懇談会」(竹中懇談会)は6月6日,第14回会合をもって終了した。NTTやNHKの在り方,通信や放送の法体系の在り方など,多岐にわたる論点を盛り込んだ最終報告書を取りまとめた。

 注目を集めているNTTの在り方に関しては,ボトルネック設備(アクセス設備)の機能分離を徹底すべきで,機能分離が徹底できれば現行法の枠内でNTT東西地域会社の業務範囲規制を緩和すべきとした。さらに,2010年には通信関係法制の抜本的見直しを行い,東西NTTの業務範囲規制の撤廃や,持ち株会社の廃止,資本分離など一体的に進める方向性を改めて打ち出した。また,そのために必要な検討を速やかに始めるべきだとした。

 竹中大臣は,当初から最終報告書の内容を政府の経済財政運営の基本方針である「骨太方針」に盛り込みたいを意向を明らかにしてきた。だが,その内容は,竹中懇談会と同様のテーマを議論している自民党の「電気通信調査会 通信・放送産業高度化委員会」とは一致しない点もある。

 懇談会終了後の会見に臨んだ竹中大臣は,「政府与党と方向性が一致しなければ骨太方針には盛り込めない。(通信・放送産業高度化委員会とは既に)かなりの点で方向性が一致している。意見の隔たりがある部分については今後,議論を重ねたい」と発言。特に大きなギャップがあるNTTの組織改革への実行力は,与党との調整が進まないことには薄れることを示唆した。

 通信・放送産業高度化委員会は,NTTの組織改革に竹中懇談会よりも消極的。竹中懇談会では「2010年には持ち株会社の廃止や資本分離などの措置が講じられるように早急に検討を始めるべき」とするのに対して,通信・放送産業高度化委員会は「2010年ころに検討する」として当面は現状のままを維持すべきとしている。

 竹中懇談会の松原聡座長(東洋大学教授)は,最終報告書をまとめるに当たってNTTの組織改革に関する文言を緩めたことを明らかにした。最終報告書では,「NTT法の廃止などを“念頭に”措置を講じることとする」と書くにとどめてある。「他の論点は“すべき”としているが,NTTに関しては与党に政策の推進を強制しない表現にしてある」(松原座長)と説明した。その一方で,検討開始の時期に関しては「(NTT法を廃止するには)3~4年の時間が必要。2010年に検討を開始するのではあまりに遅い。2010年に何らかの措置が講じられるように検討を始めてほしい」(松原座長)と訴えた。

 竹中懇談会が取りまとめた最終報告書の“実行力”は,今後の関係方面との調整いかんによる。自民党の通信・放送産業高度化委員会はもちろん,政府の規制改革・民間開放推進会議などでも同様のテーマを詰めている最中だ。いずれも,7月にもまとめる骨太方針がターゲット。懇談会自体は幕を降ろすが,今後の行方も見逃せない。