日本ユニシスは6月7日、新しいシステム構築方法論「3D-Visible Enterprise(3D-VE)」を自社のSI(システム・インテグレーション)事業に活用し始めると発表した。3D-VEはビジネス戦略の立案からシステム設計までの、広範囲をカバーすることが特徴。「米ユニシスが開発した方法論で、ビジネスとITのギャップを埋めることができる」と大塚仁司ITソリューション部サービスビジネスイノベーション室長は語る。

 3D-VEでは、システム構築で実施すべき作業や定義すべき項目を(1)ストラテジー層、(2)ビジネス・プロセス層、(3)アプリケーション層、(4)インフラストラクチャ層の四つの層に分けて考える。それぞれの層で作成するモデルなどの成果物を「平面」ととらえ、それを立体的に積み重ねてシステム構築を進めるので「3D」と名付けている。

 システム構築作業は、基本的に上位層から順に進める。(1)ではビジネス上の目標や課題、企業内の組織などを示した図、(2)ではビジネス・プロセス、業務間の関係などを示した図、(3)ではUML(統合モデリング言語)のユースケース図、シーケンス図など、(4)ではハードウエア、ソフトウエア、ネットワークの構成図を作成する。こうした成果物を「モデル」と呼ぶ。作成したモデル群は顧客企業に提供し、顧客の知財として蓄積してもらう。

 (1)と(2)ではモデルの作成のために、米プロフォーマのビジネス・モデリング・ツール「ProVision Modeling Suite」を、(3)では米IBMの「Rational Rose」を、(4)では米マイクロソフトの「Word」や「Visio」を使う。このほか、ProVisionで作成したモデルをRational Roseで扱えるように変換する「Transformer」や、各工程で作図したモデルのどの部分を変更すると、他のモデルのどこに影響があるかを判断できる「Impact Analysis」などのツールを米ユニシスが独自に開発した。

 日本ユニシスは今後、この方法論を全業種のSI事業に活用する。(1)と(2)はコンサルティング・サービスとして、(3)と(4)は従来どおりのSIサービスとして提供する。「(1)と(2)の上流工程を担当できる人材を養成中。現在、30から50人に教育を施し始めた。(3)と(4)の下流工程は現在のSEで対処できる」(大塚室長)。