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 富士通の黒川博昭社長は今年度の経営方針を説明し、業界全般で収益力が低下しているシステム構築から、保守・運用サービスなどへのシフトを進めていくことを明らかにした。収益力の高いサービス事業の強化で、2006年度のITサービス部門の営業利益は前年度比16%増の1600億円を達成することが目標だ。

 現在、富士通の国内向けITサービス事業は、売上高の63%がシステム構築などのSI事業で、37%が運用やアウトソーシングなどのサービス事業で構成されている。将来に目指す構成比率は明言しなかったが、今後はSIに比べると顧客へのリーチや深掘りが足りなかったサービス事業の成長に力を入れる。例えば、2005年度に4150億円の売り上げがあったアウトソーシングは、2006年度に4600億円、2008年度には6000億円と2ケタ成長を続ける計画だ。営業利益率も10%超を維持していくという。

 黒川社長によると、SI事業の利益率は粗利ベースで10%台、営業ベースでは5%弱にとどまるのに対し、運用サービスの粗利率は20%台、営業ベースでも8%以上に達している。そこで、サービス事業を強化するべく、運用を起点にした顧客の深耕に取り組む。例えば、ITアウトソーシングの顧客に対し「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やAPM(アプリケーション・ポートフォリオ管理)などをトータルで提供する『フィールドアウトソーシング』へと提供サービスの拡大を図る」(黒川社長)という。

 並行して、SI事業では不採算案件の更なる低減に取り組む。2004年度に400億円あった赤字プロジェクトの損失額は、2005年度に100億円に減ったが、2006年度は更に50億円と半減させる計画だ。「新しい分野や革新的なSIに挑戦するためにも、ゼロにするつもりはない」(黒川社長)が、不採算案件の比率は現在の1.5%から1%に減らすという。

 その他の施策では、(1)運用サービスと同様に利益率が高い、パッケージをベースにしたソリューション提供の強化、(2)好調な海外向けITサービスの更なる拡大−−などにも取り組む。富士通のITサービス事業の売上高は連結で2兆2662億円。このうち海外向けの比率は3割だが、国内向けが2%近いの減収なのに対して、海外向けは10%台の伸びを示している。