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 ヴイエムウェアは6月12日、仮想マシンに割り当てるCPUやメモリー、ストレージといったハードウエア資源を一元管理するためのスイート製品「VMware Infrastructure 3」を、今月中に出荷開始すると発表した。

 VMware Infrastructure 3は四つの新製品を含む合計8製品からなる。四つの新製品は、複数の仮想マシンから同じストレージへのアクセスを可能にする「VMware VMFS(Virtual Machine File System)」、アプリケーションに対し、必要なハードウエア資源を自動的に割り当てるための「VMware DRS(Distributed Resource Scheduler)」、障害時に自動的に処理を別の仮想マシンに引き継ぐための「VMware HA」、バックアップを実行するための「VMware Consolidated Backup」である。

 新製品のうち、目玉はVMware DRSだ。仮想マシン上で動作するアプリケーションのCPU使用率やメモリー使用率などを常時監視する。あらかじめ設定してある上限の使用率を超えると、別の仮想マシン上にアプリケーションを移動するなどして、使用率が正常値に戻るように調節する。どのアプリケーションに多くの資源を割り当てるかは、アプリケーションに割り振った優先順位によって決まる。

 仮想マシン上で動作中のアプリケーションを別の仮想マシンに移動するために、「VMware VMotion」と呼ぶ製品を使う。「DRSは頭脳でVMotionが手足の役割」とボゴミル・バルカンスキー 製品マーケティング・ディレクタは説明する。VMotionは前バージョンでも提供されていたが、「これまでは、“手動で”アプリケーションを移動しなければいけなかった。今後は、新製品のDRSと併用することで自動化できる」(バルカンスキー ディレクタ)。

 VMware Infrastructure 3は、含まれる製品の違いにより、三つのグレードで販売される。価格は未定だが、簡易版の「スタータ」が16万円程度、標準版の「スタンダード」が60万円程度、最上位版の「エンタープライズ」が92万円程度。四つの新製品をすべて利用するためには、エンタープライズのライセンスが必要になる。