[画像のクリックで拡大表示]

 IBMは、業務などの単位にまとめたサービス同士を連携させてシステムを構築するSOA(サービス指向アーキテクチャ)に注力している1社だ。企業がSOAを導入するためのソフトウエア製品を多く保有しており、ユーザー企業での導入実績も出始めている。米IBMでワールドワイドのソフトウエア戦略を担当するバイス・プレジデント、マイク・ボーマン氏(写真)に、SOAの最新動向を聞いた。

−−−SOAはどうも分かりにくいという声が多い。

 まず強調したいのは、SOAはIT(情報技術)からではなく、ビジネスの側面からとらえるべきだということ。SOAは革新的なビジネス・モデルを支えるもので、企業のCEO(最高経営責任者)などトップが考えるべきものだ。オブジェクト指向など個々の技術はSOAの一要素で、実現手段でしかない。

 SOAを利用することで、新しいビジネス・モデルに基づいたシステムをより迅速に導入できるようになり、その後の変更も容易となる。会社や事業を再構築するようなもの。他の企業にすぐ追いつかれてしまうような、新製品や新サービスとは一線を画すものだ。

−−−ユーザー企業はIBMが説明するSOAのメリットやコンセプトを理解できているのか。

 昨年までユーザー企業は、「SOAとは何なのか、それは大事なことなのか」と疑問を投げかけていた。ところが今年は状況が違ってきている。「SOAの重要性は理解している。しかし、どのように始めればいいのか」という質問に変わった。

−−−そうした企業の声にどのように応えているのか。

 ユーザー企業のシステムがどの程度SOAに対応しているのか、現状のインフラ上でSOAを利用して何が実現できるのか、といったことを自己診断できるツールをWeb上で提供している。場合によっては、ユーザー企業のところまで出向いて専門的なセミナーを開催したりもしている。中には、意識していないがSOAのコンセプトに沿った形でシステムを構築していたというケースも見られる。

 また、ユーザー企業へSOAを活用したシステムを提供するため、日本も含めた世界中で体制を拡充している。例えば、ユーザー企業にSOAを提案しているシステム・ベンダーなど、パートナ企業向けプログラムをこの6月に立ち上げた。SOAに関する技術や顧客ベースを持つパートナ企業同士が情報を共有し、協業を促進するためのものだ。Webサイトに各パートナ企業の製品やサービス、事例、SOAで活用できる提供コンポーネントなどを掲載する。今後、WebサイトからSOA用のコンポーネントをダウンロードして利用できるようにしていく。

−−−ユーザー企業は、実際どのようにSOAを活用しているのか。

 事例としては、企業のポータル・サイトでの活用が多い。様々なソースから集めた情報を、ポータル・サイトで一元的に表示するという使い方だ。企業の基幹系システムにSOAを取り込んでいる企業もいる。

 興味深いのは、SOAに取り組んでいるのはITの先進国の企業だけではないこと。米国や日本だけでなく、イスラエルや中国、ロシア、ブラジルなど幅広い地域の企業が取り組んでいる。