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米VMwareのBogomil Balkansky氏(Product Marketing Director)
米VMwareのBogomil Balkansky氏(Product Marketing Director)
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 ヴイエムウェアは,サーバー仮想化ソフト・スイート製品「VMware Infrastructure 3」を6月中に出荷すると発表した(該当記事)。
 複数のサーバーが稼働する環境で,仮想マシンを効率的に配置・運用する機能を強化した製品で,仮想マシン・ソフトESX Serverを中核に,自動的に仮想マシンを再配置するDRS(Distributed Resource Scheduler)やクラスタに似た仕組みで可用性を確保するVMware HA(High Availability)といった各種ツールを追加している。
 米VMwareのBogomil Balkansky氏(Product Marketing Director)に製品開発の背景や新製品の強みを聞いた。
(聞き手は日経SYSTEMS編集委員 干場一彦)

--従来は,サーバー仮想化ソフトESX Serverや管理ツールVirtualCenterを別々に販売してきたが,今回スイート製品という形にした理由は?

 顧客のニーズに合わせた措置だ。これまでは別々の製品としてマーケティングしてきたが,ESX ServerとVirtual SMP,VMotionとVirtualCenter Agentといった四つの製品をセットにして「Virtual Infrastructure Node」という名称でも販売していた。75~85%の顧客は,このセット形態で購入している。VMware Infrastructure 3は,そうしたニーズを反映した。

 VMware Infrastructure 3の顧客は,当社が第三世代と定義する高度な仮想化を実践すると予想している。一つの物理的なサーバーをパーティション分割する第一世代の仮想化はもちろん行う。さらに複数のサーバーに配置した仮想サーバーをVirtualCenterなどのツールで統合管理する第二世代の仮想化も行うだろう。さらに,50%の顧客がサービスを稼働させたまま,仮想マシンを別の物理サーバーに移すVMotion技術(管理ツールとしてはVirtualCenterを利用)を使っている。第三世代ではこれらを発展させて,負荷に応じて自動的に仮想マシンを別の物理サーバーに移したり,障害時に別のサーバーで仮想マシンを自動起動して可用性を高めたりできるようにしている。これらを総合的に考えると,新しいツールとサーバー仮想化ソフトをスイートで出すことは非常に合理的と考える。

--スタータやスタンダード,エンタープライズという3つの製品タイプは,どのような顧客を意識して構成しているのか?

 価格帯とターゲット市場や顧客が必要としている機能を考慮して構成している。

 エンタープライズは,データセンターをターゲットにしている。これはDRSやVMware HAによる自動化や高い可用性の実現,VMware Consolidated Backupによるデータの保護といった新製品の機能をフルに提供するものになる。それらを活用するには,物理サーバーや仮想化したサーバーの数が一定以上必要になる。例えば自動化については物理サーバーが100台で,仮想サーバーが1000台あるといった規模のときに最大の機能を発揮する。

 スタータは小規模なユーザー向けの製品である。リモート・オフィスや小売店などのサーバーは多くても2~3台だろう。この場合,VMotion技術のように1つの物理サーバーから別の物理サーバーに仮想マシンで構成したサーバーを移動するという機能までは必要ない。

 米国では大規模な情報システムをデータセンターで稼働させる傾向があるが,30%ぐらいはデータセンターの外にある。今後は,仮想化をデータセンターの外にあるマシンにも適用できるように技術を拡張していきたいと考えている。

--VMware Infrastructure 3の中核である仮想化ソフトESX Serverにも強化点があるのか?

 ESX Server新版は,より大規模で高速な仮想化マシンを構成できるようにした。一つの仮想マシンで利用できるCPUは,以前は最大2CPUだったが,それを最大4CPUにしている。また,仮想マシンにおいて利用できるメモリーを16Gバイトまで拡張した。ネットワークについても128ポートまで作成できる。仮想マシンを動作させる物理サーバーの仕様としても32CPU,64Gバイトのメモリーまでをサポートした。新しいESX Server上では,企業が実行する処理の99%を稼働させられると考えている。

 仮想マシンでサポートするOSの種類も増やした。64ビットのOSやSolaris(x86版)に加えて,LinuxのUbuntuディストリビューションが新しく利用できる。これまでサポートしてきたWindowsやNetWareを含め,合計で28種類のOSを仮想マシンで利用できるようになった。これだけ幅広くサポートしているのは当社だけである。64ビットOSは実験的なサポートだが,この年末には完全にサポートする。加えて,iSCSIやNASをストレージとしてサポートした。

--プロセッサ・メーカーが仮想化技術を備えた製品の開発を進めている。Intel VT(Virtualization Technology)やAMD-V(開発コード名Pacifica)への対応は?

 VMware Infrastructure 3は,Intel VTに対応している。64ビットOSのサポートはこの技術で実現した。AMD-Vは市場で利用可能になったときにすぐ対応する。IntelとAMDの両社には全面的に協力しており,それぞれの技術に対応すると表明している。Intel VTによって得られる利点は,同技術の進化とともに変化する。CPUの仮想化を実現した現時点では前述した64ビットOSのサポートがメリットになる。今後は,I/Oの仮想化やメモリーの仮想化が予定されている。それらが実現すると仮想マシンのパフォーマンス向上という利点が得られる。