松下電器産業は2006年6月21日、同社初となるレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラ「DMC-L1」を、7月22日に発売すると発表した。価格はオープンだが、独ライカと共同開発したレンズを付属したキットが、実勢25万円前後になる見込み。本体のみ、レンズのみの販売は予定していない。
「DMC-L1」は、フォーサーズシステム規格に準拠し、同規格に対応したオリンパスやシグマが販売する交換レンズが装着できる。750万画素の「Live MOSセンサー」、背面の液晶を見ながら撮影できる「ライブビュー機能」、撮像素子に付着したホコリを超音波で払い落とす「ダストリダクションシステム」といった仕様は、オリンパスが2月に発売した「E-330」と似ているが、DMC-L1は松下独自の技術や機能が組み込まれている。
外装にマグネシウム合金を使い、より高品位な質感に仕上げているほか、本体上部にシャッタースピードダイヤル搭載し、玄人好みのマニュアル操作を可能にした。画質やレスポンス、電池駆動時間などに影響を与える画像処理エンジンには、同社が開発した新型の「ヴィーナスエンジンIII」を採用。高い解像力と低ノイズを両立したという。
2段階で開く内蔵フラッシュは、天井に向けてフラッシュを発光するバウンス撮影も可能だ。フィルムを入れ替える感覚で発色や階調を設定できる「フィルムモード」も用意した。
レンズ単体なら10万円以上か
オリンパスのE-330の実勢価格は、本体のみで約12万円、レンズセットで約13万円。レンズセットで約25万円のDMC-L1は、E-330と比べると倍以上もする。この価格差は、DMC-L1に付属するレンズが大きく影響している。付属する交換レンズ「ライカ D VARIO-ELMARIT(バリオ・エルマリート)レンズ」は、松下と独ライカが共同で開発した。焦点距離は14~50mm(装着時は28~100mm相当の撮影になる)で、レンズはF2.8~F3.5と明るい。手動で絞りを変えられる絞りリングも備える。さらに、光学式の手ぶれ補正機能もレンズ内に搭載している。
光学式の手ぶれ補正を搭載する明るいズームレンズで、しかもライカ初のデジタル一眼向けのレンズともなれば、レンズ単体の価値は非常に高い。他社のレンズで単純比較できるものはないが、このレンズを単体で発売するなら10万円以上にはなるだろう。そう考えると、DMC-L1の実勢25万円という価格も納得がいく。
同社の牛丸俊三専務は、DMC-L1を「今までのデジタル一眼レフカメラに不満を持っているユーザーに向けたプレミアム一眼」と位置付け、ターゲットはあくまでハイアマチュアであること明言した。キヤノンやニコンがしのぎを削り、先ごろソニーもシェア争いに加わった普及価格帯(10万円前後)の製品は眼中にない。