人材派遣最大手のスタッフサービスは7月7日に、派遣スタッフと派遣先企業のマッチングに使う情報システム「NCS(New Coordinate System)」の機能強化を実施する。人材派遣業界では、景気回復によって派遣スタッフの不足感が高まっている。入力する情報項目を増やす機能強化によって派遣スタッフの満足度を上げることを狙う。
NCSでは数十万人分の派遣スタッフの情報を管理している。派遣先企業から人材派遣を受注すると、スタッフサービスの担当者(コーディネーター)は、NCSで地域や職種などの条件が合致する派遣スタッフを検索。派遣スタッフ本人に連絡を取って就業意向を確認する。
機能強化によって、派遣先企業に関する情報を約50項目から60項目まで増やす。特に、派遣スタッフにとって関心が高い項目を追加。例えば、従来からある「制服の有無」の項目だけではなく、「制服がない場合の服装分類(スーツ/オフィスカジュアル/カジュアル/ジーンズ可)」という項目を加えた。さらに、「事業所周辺にコンビニがあるかどうか」「送迎バスの有無」「同じ業務に携わる人がいるか、いる場合の性別・平均年齢・雇用形態」といった項目も追加した。これらの情報は、スタッフサービスの営業担当者が、顧客企業に聞くか自分で調べるなどしたうえで入力する。
例えば、派遣スタッフから「職場でもジーンズをはきたい」「周辺にコンビニがある勤務先がいい」といった要望がある場合は、こうした条件に合致する派遣先企業を紹介できる。さらに、派遣スタッフが細かい条件について納得した上で派遣先企業を選べるため、就業開始後に定着しないケースを減らせるとみている。