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 日本郵船は2006年6月,約7年ぶりに会計システムの大幅刷新に踏み切り,システム運用・保守作業の効率化を図った。

 新システム「SAKURA」は,燃料在庫やコンテナ数,傭船(船の貸借)料などを一元的に管理する。従来は,独自開発したシステムでこれらを個別に管理していた。SAKURAでシステム統合を果たしたことにより,個々のシステムのバージョンアップや保守点検に要していた時間やコストが大幅に削減できると見込む。併せて,セキュリティ対策も強化した。

 SAKURAは,SAPジャパンのERPパッケージをベースに,アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティングが構築を支援した。ハード・プラットフォームには,米IBMのメインフレーム「zSeries 990」を採用。1台のメインフレーム上でz/OSとLinux OSを共存させている。z/OS上でDBMS(データベース管理システム)を稼働させて基幹データを管理し,Linux OS上で ERPソフトを稼働している。

 同システムでは開発コストを抑えるため,複数の論理区画を作成できるIBMの仮想化技術を活用し,本番環境と開発環境を1台のメインフレーム上に統合する工夫も凝らした。