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米インテルのエリック・キム上席副社長(撮影:花井智子)
米インテルのエリック・キム上席副社長(撮影:花井智子)
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 米インテルの企業向けデスクトップ・パソコンの新ブランド「vPro」に準拠したパソコンが、9月にも登場する。vProはデュアルコア・プロセサ「Core 2 Duo」、仮想化技術「Embedded IT」、パソコンの遠隔管理技術「AMT2.0」を搭載したパソコンに与えられるブランドのこと。プロセサだけでなく、各技術を実装したチップセットやソフトウエアを組み合わせて提供することで、管理性やセキュリティの強化を狙う。

 ノート・パソコン向けの「Centrino」、家庭用パソコン向けの「Viiv」というブランドを打ち出してきた同社にとって、vProは第三のブランドである。販売とマーケティングを統括し、全社のブランド戦略も担うエリック・キム上席副社長(写真)は、「ビジネスのプロフェッショナルに対して、これまでにない高い価値を提供する。vProというブランド名には、その狙いを込めた」と話す。「例えば、vProの頭文字が表す意味の一つが、速度(Velocity)だ」(同)。

 vProブランドを冠したパソコンが備える、システム運用管理面での特徴は二つある。プロセサの備える仮想化機能を使ってシステム管理専用の仮想マシンを作り、ウイルス対策ソフトや運用管理ツールを動かせること。そしてシステム管理者がネットワーク経由でパソコンを起動して、ウイルス駆除やセキュリティ修正ファイルの配布といった作業を実行できることである。「利用者の生産性を損ねることなく、堅牢なセキュリティや高いマネージャビリティを確保する。これにより、ビジネスの速度を高め、プロフェッショナルを支援する。こうした意味を、簡潔に理解してもらうためにどんなブランドが適切かを検討し、数千の候補の中から“vPro”を選んだ」(キム上席副社長)。

 インテルはvProブランドを構成する技術をノート・パソコン向けにも展開し、2007年にも対応プロセサやチップセットなどを出荷する。「日本は、世界の中でも企業でノート・パソコンを使っている比率が高い。vProと同様なセキュリティやマネージャビリティのニーズは高いはずだ」と、キム上席副社長は語る。なおノート向けのブランドは、vProやCentrinoとは別の名称になるとみられる。

 一方でキム上席副社長は、vProと同様な技術を組み合わせたサーバー向けブランドについては、「提供する計画はない」と明言した。「サーバー向けにはXeonとItanium 2という、確固とした製品があり、これらのブランドが浸透している。顧客がサーバー・プラットフォームに求めるのは、性能、安定性、信頼性、そして省電力だ。サーバー向けプラットフォームでは、これらを追求していく」(同)という。

(玉置 亮太=日経コンピュータ)

 日経コンピュータ6月26日号では、インテルのvProが持つインパクトを解説した「仮想化で変わるクライアント管理」を掲載しています。ぜひご覧ください。