ジャストシステムは2006年6月29日、同社が開発を進めるXMLをベースとしたアプリケーションの開発・実行環境「xfy(エクスファイ)」の最新デモを披露した。2006年夏に出荷を予定している企業向け製品「xfy Enterprise Solution 1.0」の実演のほか、技術プレビューとして「マッシュアップ」の実現機能を公開。xfyがエンドユーザーにとっても有用な製品であることをアピールした。
マッシュアップとは、Webサービスなど複数のサービスや技術を組み合わせて、別の新たなサービスを構築することを指す。米グーグルが提供する地図情報サービス「Google Maps」を利用してさまざまな情報を視覚的に提供するサービスを開発する、といったものだ。現在はサービスの開発者主導で進んでいるマッシュアップだが、「xfyはユーザーが自分で使えるマッシュアップ環境だ」(同社の浮川初子専務)。今のところ技術プレビューの段階だが、「いずれは製品に盛り込む予定」(同氏)。
披露されたデモの題材は、ネットトレーディングをする個人投資家。既に無償で公開されているxfyの基盤製品「xfy Basic Edition」を用いて、インターネット上に公開されているさまざまな情報を自由に組み合わせる。例えば、注目している各社の株価やニュースなどの情報だ。
最近では多くの情報がRSSフィードとして公開されており、「RSSフィードはXML形式なので、xfyに簡単に取り込める」(担当者)。例えば気温のように、一見株価とは関連の薄そうな情報も取り込める。取り込んだデータをグラフ部分にドラッグ・アンド・ドロップすることで、折れ線グラフとして表示することも可能だ。アパレル業界や家電業界のように、気温によって株価が変動する企業に注目している場合に役立つ。
こうした機能をWebブラウザーから利用するデモも公表された。JavaScriptを用いてWebブラウザーでリッチなユーザーインタフェースを実現する「Ajax」と呼ばれる技術を利用する。サーバー側でxfyを動作させ、ユーザーはWebブラウザーからそれを操作する。
xfy Enterprise Solution 1.0については、各部門のシステムから必要な情報を柔軟に取得するシステムをプログラミングなしで開発する様子を実演してみせた。情報活用が難しい、拡張性に欠けるなど、これまでの企業情報システムが抱えてきた問題を解決できるという。