NECは,新たにJava標準のSOA(サービス指向アーキテクチャ)機能をラインアップに加えたJavaアプリケーション・サーバー・ソフト製品群の新版「WebOTX ver6.4」を,2006年6月30日に出荷する。価格は機能をServletの処理に限定したAPサーバーが12万円(税別),分散処理も可能なAPサーバーが50万円(税別)から,SOAのメッセージ基盤となるソフトが350万円(税別)から。
WebOTXは,NEC製のJavaアプリケーション・サーバー関連ソフト群である。APサーバー・ソフトは,搭載する機能に応じて4種類をラインアップする。Servletコンテナの「Web Edition」,EJBコンテナの「Standard-J Edition」,Java標準の分散処理プロトコルRMI(Remote Method Invocation)に加えてCORBA IIOP(Internet Inter-ORB Protocol)を使える「Standard Edition」,さらに負荷分散や可用性に留意した「Enterprise Edition」である。
今回新たに,製品ラインアップにSOAのメッセージ基盤となるESB(Enterprise Service Bus)ソフト「WebOTX Enterprise Service Bus Ver.6.4」を追加した。最大の特徴は,同ESBがJava標準であるJSR 208 JBI(Java Business Integration)に準拠している点である。なお,ESBと呼ばれる製品の実装や機能は製品ごとに異なるが,SOAPやJMS(Java Message Service),EDIといったプロトコルの差異を吸収し,インターフェース記述言語であるWSDLに基付いてメッセージを中継するという基本機能で共通する。
SOAの展開に注力するにあたり,レガシー・システムをWebサービスとしてWDSL経由で利用しやすくしていく。Microsoft.NETとJava EJBをつなぐゲートウエイ機能を提供するほか,米iWay Softwareが開発した異機種間データ連携アダプタ・ソフト群をWebOTXから利用できるようにする。動作検証を終えたアダプタから順次出荷する。なお,iWay Software製のアダプタ製品は250種類を超えている。