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NEC中央研究所の國尾武光所長
NEC中央研究所の國尾武光所長
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 NECは6月30日、研究開発戦略に関する記者説明会を開催した。同社は現在、IPネットワーク上に音声や映像、データなどを乗せる「NGN(次世代ネットワーク)」関連の事業を強化している。同社中央研究所の所長を務める國尾武光執行役員(写真)は、「NGN対応の研究開発を進めることでNECの成長戦略を支える」と宣言。「NECでは、42個のコア・テクノロジーについて研究開発を進めているが、その多くをNGNに活用する」(國尾執行役員)と説明した。

 これを裏付けるように会場では、NGN関連の研究成果として、携帯電話の材料をはじめ、光通信技術、VoIPの品質管理技術、セキュリティ、FeliCaを使った電子チケット・サービス、高品位マルチキャスト放送システムなど幅広い技術/システムを見せた。

 NECの研究開発部門は「知的資産R&Dユニット」と呼ばれ、3つの部門で構成している。一つ目は、先行研究的な開発を手掛ける「中央研究所」。二つ目は、技術とビジネスの橋渡しをする「ソリューション開発研究本部」。三つ目は、知的財産を経営資源として活用する「知的資産事業本部」だ。研究開発拠点は、国内が6カ所(筑波、三田、玉川、相模原、大津、生駒)。海外が5カ所(米プリンストン、米シリコンバレー、中国北京、独ハイデルベルグ、英アクトン、独ボン)。NEC全体で研究開発に従事するのは約1600人だという。

 ただ、「自社だけでは、NGN時代の技術の広がりには対応できない」と國尾執行役員は説明する。その点については、同社は、他社や大学、国の研究機関などと協力する“オープンイノベーション”で研究開発を加速させていく方針だ。