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 「成長のエンジンは、ライセンスの売り上げ増。それによって、サポートビジネスや教育のビジネスも伸びる」──。日本オラクルの新宅正明社長(写真)は、2006年5月期の決算説明会でこう強調した。同社の2006年5月期決算は、売上高が前年比10.0%増の915億6400万円。営業利益が同11.9%増の321億2600万円と増収増益。売り上げ、利益ともに過去最高の実績を上げた。

 2006年5月期は、データベース製品が前年比8.3%増の410億6000万円、ビジネスアプリケーション製品が前年比25.9%増の32億9400万円と、ソフトウエアライセンスの売り上げが大きく伸びたことが好業績を引っ張った。データベースの分野は、上半期に好調だった金融分野に加え、下半期は通信や流通の分野が好調だったという。大型案件の増加により、売り上げを大きく伸ばした。

 新宅社長は今年度の事業戦略について、旧ピープルソフトや旧シーベルなど、M&A(企業の合併・買収)を通じた製品ラインアップ拡大を生かし、ビジネスアプリケーション分野を大きく伸ばしていくことを強調した。「BI(ビジネスインテリジェンス)製品も手に入ったし、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)製品と共に提案できる。案件当たりの商談規模が大きくなっている」(新宅社長)という。

 日本ピープルソフトと日本シーベルが統合した日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)とクロスライセンス契約を結び、日本オラクルとOISが、互いに製品を販売する。日本オラクルは、2007年5月期にビジネス・アプリケーションの売上高を前年比36.6%増の45億円を見込んでおり、そのうち、10~15%を、OIS製品の売り上げが占める見込みだ。

 データベースやみFusion Middlewareなどのシステム製品領域では、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やセキュリティ、BI、グリッドなどの注力分野へのマーケティング活動の強化で成長を目指す。データベース・テクノロジーの売り上げは、前年比8.4%増の445億円を目指す。

 これらの拡販戦略で、日本オラクルは2007年5月期に、売上高が前年比10.3%増の1010億円、経常利益は同10.4%増の355億5000万円を見込む。