富士通は7月12日、年商30億~300億円の中堅・中小企業向けERPパッケージ(統合業務パッケージ)の新ブランド「GLOVIA smart」の第1弾製品を発表した。GLOVIA smartの特徴は、「SOA(サービス指向アーキテクチャ)の考え方を取り入れ、会計やCRM(顧客関係管理)など、ユーザー企業が必要とする機能を自由に組み合わせられるようにした」(経営執行役の小原不二夫 中堅ソリューション事業本部長)こと。

 GLOVIA smartでは、会計や人事・給与といった個別の業務向けの業務機能を、Webサービス形式で実装している。ユーザー企業は、個々の製品に付属する「GLOVIA smart SOA」を介して、自社に必要な業務機能を連携させることができる。GLOVIA smart SOAは、富士通のWebアプリケーション・サーバー「Interstage」の中から、エンタープライズ・サービス・バス(ESB)機能「Interstage Service Integrator」や、Webサービスの管理機能を取り出したもの。

 GLOVIA smartの第1弾製品は、(1)会計情報システム GLOVIA-C XI、(2)人事給与システム SE、(3)ポータル、(4)CRMナレッジセンターパック、(5)ワークフロー人事就労の5種類。(1)~(4)は富士通が以前から出荷していたERPパッケージを、GLOVIA smart向けに開発し直した。シングル・サインオン機能を追加したり、ユーザー・インタフェースのデザインを共通化するなどした。(5)は新製品。最低価格は(1)が30万円、(2)が160万円、(3)が40万円、(4)が250万円、(5)が160万円。

 今年9月末までに、GLOVIA smartブランドの第2弾製品15種類を出荷する予定。第2弾では、組み立て加工業向けや建設業向けといった、業種に特化した機能を持った製品が中心になる。

 また、富士通はGLOVIA smartブランドの製品を開発するための規約を用意。規約には、フォルダ構成などのコーディング規約や、動作環境を定めたインフラ規約など7種類ある。富士通は今後、パートナーがGLOVIA smartの開発規約に基づいて開発した製品も、GLOVIA smartブランドで販売していく。こうした施策により、GLOVIA smartブランドの製品数を増やすことで、今後3年間で1000億円の売り上げを見込む。