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 マイクロソフトは7月19日,障害発生時の不具合解析を支援するツール群の新版「Microsoft Support Professionals Toolkit for Windows Version 8.1」を8月8日にリリースすると発表した。マイクロソフトと,NTTデータ,東芝,日本ユニシス,日立製作所,富士通株式会社の6社が共同開発したもの。マイクロソフトのWebサイトから無償でダウンロードできるようになるほか,これら各社の製品,サービスの一部として提供する。新版では,Itaniumおよびx64版Windowsへの対応を強化したほか,新たにカーネル・ダンプ・ファイル解析ツールを追加した。

 Support Professionals Toolkitは,Windows Server 2003,Windows 2000 Server,およびその上で動作するシステムで障害が発生したときに,サポート技術者,運用担当者,および開発者が原因を究明するのを支援するツール群である。(1)User Mode Process Dumper,(2)Desktop Heap Monitor,(3)Kernel Memory Space Analyzerの3つのツールで構成される。

 (1)User Mode Process Dumperは,ユーザー・モードで動作するアプリケーションのメモリー使用状況などを調べるツール。ホットキー操作,例外の発生,プロセスの終了など,あらかじめ指定したいイベントが発生したときにプロセスのスナップショット・ダンプを生成できる。アプリケーションをデバッガの管理下で実行したりする必要がないため,実運用中のシステムから情報を取得できるのが特徴である。Version 8.1では,より詳細な情報をダンプ・ファイルに追加などの機能強化を図った。

 (2)Desktop Heap Monitorは,デスクトップ・ヒープと呼ぶ特別なメモリー領域の使用状況などを取得するツール。デスクトップ・ヒープは,GUIアプリケーションが使用するメニューやアイコンなどのGUIオブジェクトを管理するための領域で,プロセス間で共有されるためにWindows 9xのシステム・リソースと同様にメモリー不足の原因となる可能性がある。同ツールを利用すれば,本稼働環境で使用量を把握したり,アプリケーション開発時にチューニングを行ったりすることが可能になる。Version 8.1では,新たにItanium版,x64版Windowsに対応した。

 (3)Kernel Memory Space Analyzerは,カーネル・ダンプ・ファイルを解析するためのツールである。ダンプ・ファイルを項目ごとに見やすい形で表示するほか,リソースのデッドロックや待ち状態の連鎖などの異常を自動的に検知する機能を備える。同ツールを利用することで,カーネルの構造についての深い知識がなくても問題の解決を図れる可能性があるという。同ツールの公開時期は8月下旬になる予定。