ヤフーは,2006年度第1四半期の決算を7月21日に発表した。売上高は492億円で,前年同期の388億円から27%の増収となったが,4月20日に発表した今期予想の500~534億円には届かなかった。純利益は132億円で,前年同期の103億円から28%の増益となり,これは予想の範囲に収まった。
売上高が当初予想に届かなかった理由として,「広告事業が季節性および景況感の減速で伸びなかったのに加え,大手広告主が不祥事のために広告宣伝活動を自粛したことが影響している」と,ヤフーの井上雅博社長は説明する。この結果,当四半期の広告事業の売上高が212億円となり,前年同期比51%増だが,前四半期に比べると3.4%の伸びにとどまった。また「Yahoo!オークション」の落札システム利用料を5月に3%から5%に引き上げたこと,新規利用者数が施策の遅れで伸びなかったことから,オークション取扱高が予想を下回ったことも影響しているという。
一方でソフトバンクグループに加わったボーダフォンからの広告出稿が大幅に増えたほか,クライアントのニーズに合わせたターゲティング広告の売り上げは好調だった。「Yahoo!オークション」の落札システム利用料を引き上げたことで6月の利用料収入は前月比60%増加し,「年間にすればかなりの増収が期待できる」とヤフーCFOの梶川朗氏は話す。
米Yahoo!が7月18日に発表した2006年第2四半期の決算によると,米国の売上高は前年同期比23%増の10億7000万ドルで,海外の売上高は同32%増の5億600万ドルだった。「日本は米国ほどeコマースの競争が激しくないので,ヤフー・ジャパンは世界の中でも成長率で上位にある。売上高は今の10倍は伸びると思う」と梶原氏は語り,新しい収益機会に積極的に挑戦していくという。2006年度第2四半期の見通しは,売上高が510~549億円,純利益が131~149億円と予想する。