PR

 ウイルコムは8月1日,リモート・アクセスとIP-VPNをパッケージ化した通信サービス「Direct Access/IP-VPN」の提供を開始する。IP-VPNは,アッカ・ネットワークスが構築したバックッボーンを利用する。リモート・アクセスのインフラとしてインターネットを使わないため,高いセキュリティを確保できる。月額利用料は,リモート・アクセスで使うIDの登録数で異なる。5~9IDの場合,1ID当たり月3150円。

 Direct Access/IP-VPNは,サーバーを設置したセンター拠点へのリモート・アクセス環境を,信頼性を確保しながら低料金で構築したい企業に向く。この高いセキュリティと低料金を同時に実現するため,センター拠点側のインフラとしてアッカのIP-VPN網とADSL(asymmetric digital subscriber line)回線を組み合わせた。導入前の対応や導入後のサポートや料金請求は,ウイルコムが一括して提供する。

 登録可能なIDの数は5個以上。1ID当たりの月額利用料は,IDの登録数が5~9個で3150円,10個以上で2625円となる。IDの初期登録費用は6万3000円。月額利用料には,リモート・アクセスIDの利用料のほか,1回線分のADSLとIP-VPNの利用料も含んでいる。ADSLを2回線以上契約することはできない。このため,例えばサーバー拠点が2カ所に分散しているおり,そのどちらにもリモート・アクセスできるようにするには,二つのIDを契約する必要がある。

 PHS端末からサーバーにリモート・アクセスするには,契約時にウイルコムが指定した電話番号にダイヤルアップで接続する。データ通信の方式はパケットを利用するため,「8×パケット方式」に対応した端末であれば最大408kビット/秒でデータをやり取りできる。一方,サーバー拠点のアクセス回線となるADSLの通信速度は,PHS端末からサーバーにアクセスする下り方向が最大12Mビット/秒,サーバーからPHS端末にデータを送信する上り方向が最大1Mビット/秒となる。

 ADSLを使うことで月額利用料を抑えられるが,回線速度を考慮すると,画像データなど大容量のデータをやり取りしたり,端末台数が大規模な用途には向かない。自社でサーバーを運用している中堅・中小企業に向く。