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日本SGI代表取締役社長兼CEOの和泉法夫氏(右)と,サン・マイクロシステムズ代表取締役社長の末次朝彦氏(左)
日本SGI代表取締役社長兼CEOの和泉法夫氏(右)と,サン・マイクロシステムズ代表取締役社長の末次朝彦氏(左)
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 映像分野の顧客を抱えるSIベンダーの日本SGIは,同社が2005年からSIサービス体系化して注力している映像コンテンツ配信管理システム分野でサン・マイクロシステムズと協業し,サンが抱えるエンタープライズ系の顧客へのリーチを図る。2006年7月27日に両社の社長が揃って会見し,映像を中心とする大容量データの配信管理システムが今後のSI事業の柱になると展望した。日本SGIの2006年度の売上の3割を,映像コンテンツ配信管理システムが占めるという。

 日本SGIは現在,特定のハードウエアに拠らない独立系のシステム・インテグレータに近いビジネスを実施しているという。元々,1987年にコンピュータ・ハードウエア・ベンダーである米Silicon Graphicsの日本法人として設立されたという歴史があるが,2001年にSIベンダー兼ハードウエア・ベンダーであるNECとNECソフトの資本投資を受けるなど,SIベンダーとしての色を強く出してきた。2006年6月29日には,ソニー,キヤノンマーケティングジャパン,野村證券,ジャフコを割当先とする総額40億520万円の第三者割当増資を完了した。現在では,米Silicon Graphicsが保有する株式は,日本SGIの発行済株式の19.9%に過ぎない。

 サン・マイクロシステムズは,金融業や製造業など広く一般の企業を多く顧客として抱えるエンタープライズ系の企業である。一方,日本SGIが抱える顧客層は,映像分野に限られていた。サン・マイクロシステムズは,日本SGIのSIサービスに自社の顧客を紹介することで,自社のサーバー機の販売機会を増やせる。一方,日本SGIからすれば,自社ブランドのLinuxサーバー機はあるものの,SIベンダーとしてはハードウエアは何でもよく,まずは第一に,サン・マイクロシステムズが抱える顧客が欲しい。

 日本SGIの主な狙いは,映像などの大容量データの配信管理システムの構築サービスを,既存の映像系の顧客から金融業や製造業など一般企業へと広げることである。多店舗経営をしている企業が映像コンテンツを活用することで売上向上につながるというシナリオだ。インターネットを経由したストリーミングは使い物にならないため,大容量データはあらかじめ店舗に配信しておく必要があり,再活用を含めたライフ・サイクルを管理する必要があるという。