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IPA OSSセンター センター長 田代秀一氏
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4自治体での実証の概要
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栃木県二宮町での,MS OfficeとOpenOffice.orgの作業効率比較
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栃木県二宮町でのWindowsとOSSデスクトップのソフトウエア費用比較
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沖縄県浦添市での,Windowsとオープンソース・ベースのシンクライアントのコスト比較
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札幌市水道局でのオープンソース・ソフトウエアによるビデオ会議
札幌市水道局でのオープンソース・ソフトウエアによるビデオ会議
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大分県津久見市のシステム概要
大分県津久見市のシステム概要
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 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は7月27日,自治体へのオープンソース・ソフトウエア(OSS)導入実証の報告書を公開した。この導入実証は,IPAが経済産業省の事業として4自治体を対象に合計343台のOSSデスクトップを導入したもの。IPAでは「自治体職員の反応から,自治体においてOSSデスクトップは実用に耐え,地元企業によるサポートは十分に機能したといえる」としている。

 札幌市では,水道局に111台のLinuxデスクトップを導入,遠隔地の拠点とのテレビ会議やIP電話に利用した。栃木県二ノ宮町では町役場全体でWindowsからLinuxデスクトップへ移行,139台を導入した。大分県津久見市では,Linuxシン・クライアント21台を導入。ネットワーク・ブートで遠隔地のマシンを集中管理する実験を行った。沖縄県浦添市では,住民票や納税証明など基幹業務システムの端末として70台のSolaris10ベースのシンクライアント機を導入した。

 栃木県二宮町で,職員がオフィス・ソフトでの作業に要した時間を計測したところ,OpenOfiice.orgとMicrosoft Officeで大きな差はなく,OpenOfiice.orgのほうが効率がいい職員もいたという。コストに関しても,オープンソース環境は運用管理ソフトの費用をあわせてもWindowsより低コストだったとしている。また札幌市水道局では,アンケートで約8割の職員がビデオ会議に肯定的な回答だった。津久見市でも,KNOPPIXによりシステム設定が簡易になり,セキュリティ・レベルが向上したと評価しているという。沖縄県浦添市では,シンクライアントでは専用のサーバーが必要になるが,10台以上の場合Windowsよりも低コストになるとしている。

 実証実験によって判明した課題も多数ある。最大のものは既存の文書ファイルやユーザー認証システムなどとの互換性,相互運用性だ。自治体の場合,中央官庁や他の自治体との文書のやりとりが多数発生する。しかし中央官庁から送られてくる文書の中にはExcelマクロがないと動かないものがある。時にはWindowsの実行ファイルが送られてくることもある。こういった特定の製品に依存したデータがオープンソース導入の障壁になっている。

 また,地元の中小IT企業の参入を促進できるシステム構築手法や,低コストでサポートを提供する手法はまだ確立する必要があるとする。

 実験の終了にともない,大分県津久見市ではハードウエアをリースで調達していたため,マシンが撤去されている。しかし,栃木県二宮町では実験終了後も全職員がLinuxを使い続けている。札幌市水道局では現在マシンはしまわれているが,IPAとの契約を更新して活用を検討していく。また沖縄県浦添市では,今後市の予算でさらに200台のオープンソース・デスクトップを導入する予定という。

 また2回目となる今年度の導入実証の公募も開始しており,公募条件などはIPAのホームページに掲載している。