イーパーセルは,大容量データ送信のASP(application service provider)サービス「e・パーセル LARGE便」を今年度中に拡充,一度に転送可能な容量を無制限にする。今後,高画質な動画データをはじめ,企業間で数Gバイト級の大容量データをやり取りする機会が増えると見て,先手を打つ。
e・パーセル LARGE便は,CAD(computer aided design)や技術データ,ソフトウエアのソースコードなど大容量のデータを安全にやり取りできるようにする企業向けのサービス。例えば製造業の設計・開発拠点から大容量のCADデータを生産拠点にインターネットで送信する場合に,データを暗号化して安全に送信できる。現状では,一括して転送できるデータ容量は最大2Gバイトだが,この上限を撤廃する。北野譲治社長は,「2,3年後にはテラバイト規模のファイルを送りたいというニーズが出ることは十分にあり得る」と見る。
送信側のユーザーは,専用の送受信ソフトをインストールしたパソコンから,イーパーセルのサーバーを介してストリーミング方式で相手にデータを送る。データはイーパーセルのサーバーには蓄積されないため,送信時に盗み見られる心配はない。また,送受信するパソコン間では独自プロトコルを使って,通信品質が悪く途中で送信が遮断された場合でも一定時間後に自動的に再開するようになっている。初期登録料金は基本機能が1ID当たり10万円,ASPサービス利用料金が月額5000円,通信利用料金が1Gバイト当たり月額1万円で提供されている。
e・パーセル LARGE便のユーザー企業数は,7月末現在で4000社強。イーパーセルは,年間の純増社数1000社を目標にしている。