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「あふれる情報を整理する仕組みを築きたい」と話すIT企画部の城戸信弘課長(右)と宮本涼課長代理(左)
「あふれる情報を整理する仕組みを築きたい」と話すIT企画部の城戸信弘課長(右)と宮本涼課長代理(左)
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 損害保険ジャパンは、今後3年間でシステムの新規開発に400億円を投じる。従来の投資の倍額に当たり、積極的な投資によって、IT(情報技術)をベースとした新しいビジネスモデルの確立を図る。同時に保険金の支払い漏れなどの不祥事再発を防止する仕組み作りを急ぐ。

 同社は2006年5月末に発表した新中期経営計画において、「リテール分野における新たなビジネスモデル作り」を打ち出し、コールセンターや中堅・中小企業データベースなど、ITインフラを活用した「攻め」の営業の方向性を打ち出した。

 本部や支店、代理店システムなど基幹システムの再構築も進め、複雑化が進む保険商品を、簡便にスピーディーに処理できる体制の整備を目指す。また従来グループウエアの「ロータス ノーツ」などで蓄積してきた大量の情報を、素早く検索して活用するためのナレッジマネジメント・システムの構築にも乗り出す。

 一方で、保険金の支払い漏れなどの不祥事によって、2006年6月に2週間(支店や業務によってはそれ以上の期間)の業務停止という行政処分が行われたことを受け、不祥事の再発防止策をシステムにも盛り込んでいく。

 保険金の支払いシステムには、支払い業務を統括するサービスセンターと営業サイドの支店の双方で、内容をチェックできる機能を盛り込み、支払い管理体制を強化する。

 また、ナレッジマネジメント・システムには、本部からの通達を支店などで確認しているかをモニタリングする仕組みも盛り込む。

 保険が自由化され、各社が顧客の獲得のため特約を強化する現在、保険商品の内容は複雑になっている。本部からは特約の追加や商品の規定改正などに関する情報が、毎日大量に支店に通達されるが、「業務に忙殺される営業現場では、大量の情報を消化するのが難しい。その結果大切な通達がほかの情報に埋もれるといったことも起こっている」。IT企画部の城戸信弘課長は現状をこう話す。

 本部からは規定変更などの情報を通達していても、現場で確認し、消化できなければ、誤った基準に基いた業務処理がなされ、法令違反などにつながるケースすら生まれてしまう。

 「ナレッジマネジメント・システムを活用して、通達を全社で共有すると同時に、情報の閲覧率を把握するなど、発信した情報が確実に受け取られているかをモニタリングする仕組みを作る。そのうえで、社員が通達の重要度を判断して優先順位を付けられるよう、配信プロセスを改善していく」(城戸課長)

 損保ジャパンでは6月末に発表した業務改善計画では、業務監査・コンプライアンス委員会の設立や部門横断的な「オペレーション調査委員会」の構成などの施策を打ち出している。こうした経営管理体制の強化に加え、情報システムで日常業務レベルの法令順守を促すことにより、不祥事の再発防止を図る。